平成5年度 研究紀要 Vol.23 -138/162page

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表2 摺上川河川敷きで確認された植物 (帰化率=約50%)
No. 種名 帰化種 No. 種名 帰化種
1 メドハギ   16 オオアレチノギク
2 セイヨウタンポポ 17 ハキダメギク
3 アレチマツヨイグサ 18 セイタカアワダチソウ
4 ミゾソバ   19 オオブタクサ
5 カナムグラ   20 ウスベニツメクサ
6 ヨモギ   21 アメリカセンダングサ
7 ヘラオオバコ 22 ムシトリナデシコ
8 ヒメムカシヨモギ 23 クズ  
9 シロツメクサ 24 キクイモ
10 アレチウリ 25 オオアワダチソウ  
11 イタドリ   26 オナモミ  
12 イノコズチ   27 カワラハハコ  
13 ママコノシリヌグイ   28 ヒメジョオン
14 ヨシ   29 カワラケツメイ  
15 オオケダテ 30 ヤハズソウ  

写真25オオプタクサ
写真25オオプタクサ


写真26アレチウリ
写真26アレチウリ


写真27セイタカアワダチソウ
写真27セイタカアワダチソウ


写真28ヒメムカシヨモギ
写真28ヒメムカシヨモギ


4 考察と教材としての活用

 児童が徒歩で調査できる範囲にあり、見た目に汚れ具合が異なることが分かるいくつかの川を対象に調査を行ったことで、次のようなことが分かった。

 A-1,2地点は、COD、リン酸イオンの値が非常に高く、大変汚れていることがわかる。生息している水生生物もセスジユスリカ幼虫、ミズアブ幼虫のみで、家庭雑排水の影響を実感できる。さらにこのような環境に生息している生物の生命力を感じさせることができる。

 この場所と比較して、住宅の雑排水を集めて阿武隈川にそそいでいるB地点の蛭川では水生生物相が大きく異なり、ヒル類やミズムシを中心に富栄養化(汚れ)に適応できる種類の生息が確認できた。とくにpHの値はいつもアルカリ性を示し、この川の水質に家庭雑排水の何らかの影響が現れていることを推測させることができる。

 C地点は、家庭の雑排水を集めて、摺上川に流れ込む場所なので、COD、リン酸イオンの値が高く、水生生物も富栄養を好む種類が多い。

 D地点は、家庭の雑排水の影響がCODに出ているが、上流にわき水があり、水は比較的きれいである。流れがかなり速いことと絶えず川の清掃を行っていることなどで生物相は貧弱である。

 E地点の摺上川は、途中の小川との合流地点で水質が悪くなるものの上流に清流を持つことからCODやリン酸イオンの値は小さく、生物相も清流にすむカワゲラ幼虫、トビケラ幼虫、カゲロウ幼虫などの種類が多く採集され、水生生物の種類も豊富である。このE地点は、水質の良い川として、他の調査地点と比較するときの基準として用いることができる。

 以上のように、身近に流れているいろいろな状況の川を生物学的、化学的に調査し、比較することにより、汚れの原因を考えさせたり、環境を守ることの大切さを実感させることができる。

 普段、観察の対象にしないような「どぷ」や汚れていて手を入れたくないような川をあえて調査することにより、そのような厳しい環境にも生物が生息しているという驚きやその生命力のすぱらしさを感じさせることができる。

 調査したA〜Eまでの川は、水生生物調査結果


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