平成5年度 研究紀要 Vol.23 -152/162page
(2)一日の生活プログラム
1 1適応指導教室で、下記のような「生活プログラム」に従って指導援助を行う。
月曜日 水曜日 金曜日 生活プログラム
9:30 ・朝の会 9:40 [マイプランタイム]
○児童生徒自身が興味や関心を持って取り組むことができる活動(読書、工作、手芸、パソコン操作や各教科の学習など)をすることにより、自主性や主体性を身につけることができるようにする。10:10 ・休憩 10:20 [ティータイム]
○自由な雰囲気の中で、児童生徒同士が語り合うことにより、相互に心の触れ合いを感じながら集団への所属感を高めていくことができるようにする。10:40 [フレンドタイム]
○小集団でゲーム、スポーツ、発表会、共同作業、勤労体験学習などをすることにより、互いのよさを認め合い、信頼関係を深めていくことができるようにする。12:00 ・昼食 13:00 [HFTプランタイム]
○適応指導教室独自の計画に基づき、野外観察、鑑賞教室、施設見学などの活動をすることにより、特性を生かしたり社会性を身につけたりしていくことができるようにする。14:20 ・休憩 14:30 [カウンセリングタイム]
○カウンセリングをすることにより、児童生徒自身が自らのよさや可能性に気づき、学校復帰へ向けて、自信を持って取り組むことができるようにする。15:00 ・帰宅
VI 指導援助の実際
1 主訴 不登校(文部省の分類基準:複合型)
2 対象 M子(適応指導教室通級児童小学5年)
3 問題の概要
幼少時から、酒乱の父親への過剰な気配りによる自己防衛を続け、満たされない家庭環境にあって、登園拒否となる。就学後も両親の本人へのかかわりは薄く、両親の離婚騒ぎからのH小学校への転校を境に不登校となる。その後、自律神経失調症とLDの診断により、不登校状態のままI大分校に通学する。両親の離婚成立により少しは情緒の安定がみられるようになるが、そううつ症の姉にかかりっきりの母親からは、十分なかかわりを受けられない状況にある。平成5年5月I大医師の紹介で適応指導教室に入級する。
4 資料
M子とのラポールを形成しながら、既存資料・面接・観察・心理検査などから、下記のように資料収集を行い、問題点を把握した。