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自己決定できる場を与える。
○担任へ、M子の状況報告として、描画を中心に漢字の練習をしたり、仲間と楽しく生活していること、そして、不規則になりがちな家庭生活などについて伝える。 |
○共に連携して指導援助していくことを確認し合う。 |
6月<集団活動における自主的体験の促進・充実><HFT生活プログラムによる個人への援助> |
○マイプランタイム、ティータイム、フレンドタイムで、CMの話題での談笑や所員とのゲーム、クイズ、トランプなどをしながらの活動を継続させる。 |
。○友達や所員と楽しそうに活動することにより、適応指導教室での日々がとても楽しい様子である。
(気持ちが安定してきており・マイプランタイムにおける教科学習に対しても心を示しめし始め、少しずつ興味がわいてきたようである。)
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○担任に来所を促す |
○来所の意向を示す。 |
○適応指導教室にも慣れてきたころなので、今気持ちを知りたいと思い、M子と面接相談をする。 |
○M子は、次のような思いを素直に話す。
・HFTクラプは学校校と違って、お菓子が食ぺられ、遊ぺるし、楽しい。・家庭では、姉と母親が仲良くしているといらいらするので寝られない。・学校には、勉強や宿題があるし、男の子にいじめられるので行きたくない。・いじめっ子がいなけれぱ、大勢の人と生活することは苦にならない。 |
(自分の思い通りのことができれぱ、満足するものである。勉強を避けて、自分のしたいことだけをさせることは、あまやかしとも言える。しかし、M子は、勉強しなければならないことは、わかっているはずである。ただ、かたくなに、それを避けようとするのは、不登校のきっかけとして、かけ算九九が覚えられず居残りをさせられたことがあったことと、家庭生活の乱れ、そして、母親から十分な愛情を受けられないでいる不満があるからである。M子の気持ちを受容するかかわりを続けることにする。)
○遅参が続く。 |
○母親と面接相談をして、来所時の遅参の訳などについてたずねる。また、これまでの母親のM子へのかかわりを認めながら、さらに、姉の症状改善に努カしていくことが必要であることに気づかせる。 |
○母親は、M子のこれまでの生活環境や登校は今は無理なことなどについて話す。昼夜逆転の状態である姉への気配りから、M子自身が不眠状態となってしまう。そのため、M子は安定剤を服用している状況である。しかし、それでも十分眠られず、起床時刻が遅れるということである。母親は、M子の気持ちを考えながら、できるだけ規則正しい生活ができるようにかかわることを約束する。 |
(面接相談の一部分から)
母親 : M子が登校することは、今は無理だと思います。
T : 無理ですか。
母親 : はい。100%無理だと思います。勉強することをいやがっていますから。M子は、自律神経失調症で夜なかなか眠られずにいますし、周りに気を使いすぎることが多いんです。
T : 気を使いすぎて疲れてしまう。お母さんは、M子さんの気持ちをよく考えているのですね。
・・・・・・
T : ところで、お姉さんの症状は、'いかがですか。
母親 : 今、入院させようとしているのですが、ペットが空いていないということでだめなんです。 |
○HFTクラプの感想を書かせる。 |
○その後も、M子の遅参が断続的に繰り返される。(母親の気持ちが不安定である。M子は、適応指導教室では気持ちが安定していても、家庭ではどうしても情緒不安定になるようである。) |
(感想文から)
HFTクラブで、たのしいことは、いろいろあるけど、なんたっておもしろいのはうんどうと、絵をかくことです。
わたしは、うんどうと、絵をかくことだけは、たのしいです。わたしは、うんどうをすると、からだがつかれるけど、でもとってもたのしいです。
みんなでたのしくやるのが、一ばんたのしいです。
わたしは、
ちょっぴりきらいなのは、算数と、国語
があんましすきではありません。・・・だけどここは、とってもたのしです。
だから、だるくてもやすまずきています。これからも、楽しいべんきょうを、おしえておしえてください。
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○得意な描画を認められて気持ちが安定し、自主的に活動することが継続されたことにより自信を持ち始めている。
そして、適応指導教室で勉強に取り組む仲間の姿に触発されながら、
M子は、嫌いな勉強にも少しずつ挑戦しようという意欲を見せ始めている。
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○担任へ、M子の状況報告として、まだ登校は無理であるが、担任とM子のかかわりを密にすることの必要性と今後の連携を図る上でも、会って話し合いたい旨を伝える。 |
○担任は、来所の意向を示す。担任は、家庭訪問をしており、M子と会ってできるだけ仲よくなろうとしている。 |
7月 |
○HFTプランタイムで、美術館・図書館の見学学習の計画を立てる。M子には、得意な絵を活用してできる「しおり」のカットを担当するように話す。 |
○見学学習の道程について仲間とともに計画し、「しおり」のカット描きに「カットの場所は?」「どのくらいの大きさ?」などと、仲間の中でも特に気が合うY子にたずねながら、夢中になって取り組む。 |
○見学学習を実施する。 |
○朝、「いってきま一す。」と元気よく出発する。JR駅で、切符の買い方がわからないらしく、仲間の様子をうかがいながら切符を購入する。しかしM子が購入したのは、大人用の切符であり、「子ども用の切符に替えてください」と言うんだよと教えられる。
駅でのハプニングがあったものの、楽しく見学ができたようである見学場所への往復の過程で、制限時間内での行動や静かに鑑賞することができる |