研究紀要第94号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究」 -014/162page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

一方、AETが文を説明するための補助資料を準備してきたため、聞き取りのグループが得た情報の方が多くなってしまい、情報量に偏りが見られた。AETとJTEが途中で交代し、AETが読み取りの活動も援助するなどの形態も考慮すべきであった。しかし、読み取りのグループは、各自自分のぺ一スで英和辞典を引き、どうしても分からないところは教師に質間したり、生徒同士で話し合ったりしており、理解しようとする意欲が十分に感じられた活動であった。また、授業終了時にAETのプリントをもらい、聞き取りの生徒から内容について聞いたりしていた。生徒の目主選択は、2つのグループに情報量の差があったことには問題が残るが、生徒の意欲を喚起するため、あるいは少人数で落ち着いて活動をするためにも、有効であると感じられた。今後このような活動を定期的に位置づけて行うことにより、生徒が「次は聞き取りにチャレンジ」「自信がない読み取りの方を」などと、選択を換えたりすることが予想され、そのことによって形態にもどんどん工夫が加えられると思われる。以下は、1回目終了時に2回目、3回目の活動を予告し、どのように取り組みたいかを記述させたものの一部である。

・みんなと協力してがんぱって、いいものを仕上げたいと思う。
・がんばって賞状をもらうぞ。
・絶対うまくいってやるぞ。
・とても緊張しつつも楽しみにしています。

  回答の中に、「Very actiVeになるようにがんぱりたい」というものがあり、自己評価が定着しつつあることが感じられた。また、「知らせたい」「わかりたい」という、直接、文化の交流にかかわる言葉が見られ、異文化理解に対する興味がわいていることが分かった。

 中学校の様子についての紹介文の作成では、生徒は、AETの作成した原稿にとらわれずに、伝えたいことは何かを中心に考えており、各グループの内容が同じになってしまうのではないかという懸念は、この段階で捨てることができた。

 第2時は発表のための準備に費した。ただし、 ブランの話合いに時間がかかり、英文作成に取り掛かるのが遅く、予想以上に作業は遅れた。しかし、既習、未習にとらわれず、単語や文を辞書から意欲的に探している姿は、今回の活動に対する生徒の意欲を十分に感じさせるものであった。

 また、発表例として、下の会話のロールプレイを行い、生徒のプラン作りのためのアイディアを提供した。

A boy is reading a comic magazine in his room. Suddenly his mother came into the room The boy threw the magazine into his desk. But...
Mother : What are you doing?
Boy : I'm reading a textbook.
(She took the magazine from his desk.)
Mother : What's this? You have to study hard for the test.
(Then the boy begins to explain to the class)
In Japan many students like to read comic magazines.
And there are many comic magazines in Japan.
For boys,「少年ジャンプ」、「少年マガジン」and so on. For girls, 「マーガレット」、「りぼん」and so on.
Our parents say,"Don't read comic magazines everyday."
But we like them very much.
                                  Thank you very much.

  なお、今回の発表でも、ビデオの吹き替え練習と同様に全員がジャッジとして相互評価することを伝え、その観点をOHPで説明した。生徒からは、「賞状がもらえるの」という質問があり、また、自己評価の記述にも賞状について書いている生徒が多く、生徒は意外なほど関心を示していることに気づかされた。

 3時間目は発表であったが、導入の段階で発表


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。