研究紀要第94号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究」 -024/162page

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自己評価や相互評価よりも厳しくなることは間違いないと言えるだろう。

 一方、教師からの評価で大切なのは観点をしっかり決めて評価することである。このことが自己評価や相互評価で欠点とされる客観性を補う。、しかし、生徒の活動の中には観点としてあげなかった「よさ」が表れることも少なくない。そのような場合にも生徒の「よさ」をしっかりと評価しようとする姿勢を忘れてはならないであろう。

 下表は、教師からの評価、自己評価、相互評価から判断して、教師が一人一人の生徒にフィードバックとして与えた言葉である。このようにフィードバックの内容を記録していくことは大変な労力がかかるが、指導のためには有効な手だてになると思われる。

1 文の中身もあるし、よく作れている。次はBをめざしてみよう。リスニングもGood.自信をもって!
2 文、よくつくれているね。次は話すことに力をいれよう。
3 挙手する積極性が出てきているね。グループ活動でも表現を工夫してたね。
4 挙手しようとする気持ちが感じられた。次はBを目指してみよう。
5 文章は中身がしっかりしていて、よかった。Aとつけられたのもよい。
6 班長として中心になって英作している姿が印象的。グループ内のみんながそれを認めてたね。
7 英語を特意とするところが、グループワークのいろいろな所で表れてた。all memmbers の表現も Good!
8 文が適切。リスニングもちゃんとできていたね。
9 班長として、がんばっていたね。発表も緊張の中よくやった。グループ内の評価も高かった。
10 インタビューもA。、文章もよくかけていたね。英語を特意とするところが表れてた。

8 結果果と考察

(1)コミュニケーション能カの変容

 今回の実践は、約半年間ではあったが、実際に授業の中で行ったのは検証授業の4回であり、単元の中で随時取り扱ったのが基本会話の定着とクラスルームイングリッシュの充実である。基本会話については前述のとおりであるが、クラスルームイングリッシュについても、授業中の指示はほとんど英語で行われるようになり、生徒もよく理解できている。もちろん、コミュニケーション能力が、この程度の活動量だけで、明確に目に見えるほど向上することは無理であろう。しかし、コミュニケーションヘの関心・意欲・態度とコミュニケーション能力は密接にかかわるものであり、どちらか一方のみについての考察では不十分と考えられる。そのため、ここでは、1.事前事後の面接法により把握したコミュニケーション能力と、2.授業中の観察から明らかになったことについて考察する。なお、事前事後の面接は英語科担当教師と生徒の1対1の会話形式で行った。事前は5月、事後は11月実施であるため、事後では当然、既習の言語材料がだいぷ増えた。このような条件で、事前と同じ文を用いたのでは、コミュニケーション能力を適切に把握する上で適さないと考え、面接のための文は異なるものを準備した。

1.英語担当教師との個別の面接法から

 ・1人に対し5つの質問を行い、その応答や話そうとする態度などを観察し記録する。

 ・全員に同じ質問である必要はないが、できるだけ同じ程度になるように心がける。

 ・各問について配点は下記のとおりとするが、正解にとらわれず、できるだけ答えられるようにヒントを与え続け、無言のままで面接が終わらないように配慮する。

 ア評価規準

  (ア) 基本の知識
A-1回の質問でLonganswerで答えられた場合
B一〃Shortanswer〃
C-2回の質間でLonganswerで答えられた場合
D一〃Shortanswer〃
E-3回の質間でLonganswerで答えられた場合
F一〃Shortanswer〃
G一それ以外のヒントを与えて答えられた場合
H一答えられなかった場合

  (イ) 関心・意欲・態度
A一積極的に答えようとしている
B一答えようとしている
C一答えようとしていない

 事前面接の質問文
1.Good afternoon, How are you?

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