平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -100/156page
4) 単元の指導計画
時 ねらい 学習活動・内容 主な資料 表現力との関わり オリエンテーション 学習の進め方について理解させる。 1 学習の進め方のプリントや昨年の5年生が作った資料を見て話し合う。 (一斉) ○ 「学習の進め方」
○ 児童の作品○ 前の5年生の作品を提示し表現意欲を高めさせる。 1 事実認識
地域の公害分布図などの資料から身近な地域の公害の様子や原因についてを考えることができる。 1 自分たちの身近な公害や環境汚染について話し合う。
2 身近な地域の公害の分布について話し合う。
3 地域の公害の原因について話し合う。
(一斉)○ 地域の公害分布図。
○ 録音テープ(おじいさんの昔の話)
○ 公害の種類と苦情件数
○ 環境汚染の地域のビデオテープ2 課題把握
日本各地で、さまざまな公害問題が広がっていることをとらえることができる。 1 登校の様子の写真を基に.気付いたことを話し合う。
2 公害の原因について話し合う。
3 日本の公害の分布について調べ、話し合う。
4 公害についての感想を書く。
(一斉)○ 工場分布図と亜硫酸ガスの広がり
○ 「臭い魚」の広がり
○ コンビナートの写真
○ 登校の様子の写真
○ 四日市ぜんそくのビデオテープ○ 四日市の公害の様子を具体的にとらえさせ,自分が感じたことや考えたことを,ことばで表現させ,課題意識を喚起させる。 3 学習計画立案
公害分布図から日本各地に公害が広がっていることをとらえさせ,様々な公害について調べる計画を立てることができる。 1 日本各地の公害の分布について調べ,話し合う。
2 学習問題について話し合う。
3 調べる内容やまとめ方について話し合う。
(一斉)○ 日本の公害分布図
○ 公害の年次毎の発生件数○ 表現活動に関わる特性を生かした表現活動の計画を立案させる。 4
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5追究
主な公害病のようすから国民を公害から守ることの大切さに気づくことができる。 1 学習計画を基に.各種の貿料で調べる。 (個別・グループ)
1) 水俣病
2) 新しい公害
3) イタイイタイ病
4) 騒音公害
5) 公害を防ぐ対策
6) 県や地域の公害,環境汚染○ 教師自作の資料集
○ 公害のビデオテープ
○ 参考図書○ 各種の学習メディアによる調べ学習で,自分が感じたことや考えたことを表現できるように,学習の手引きなどをもとに,個別に援助・支援をする。 6 追究のまとめ
公事防止の大切さを理解させるとともに,公害防止には工場.国,県などが住民と協力して,一体となり対策を進めていかなければならないことを理解させる。 1 調べて分かったことについて話し合う。
2 体験学習の進め方について話し合う。
(一斉)7 体験
地域にも.環境汚染があることを体験をもとに.具体的に理解させる。 1 学校の近くの川や道路などの様子を調べる。
(個別・グループ)○ 体験学習では,VTRなどを活用して,地域の環境の様子を記録させ,児童の多様な気付きを次の表現活動に生かせるようにする。 8
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9表現
今まで学習したことをもとに.公害についての自分の考えを各種のメディアを活用して表現できる。 1 今までの学習をもとに,各種のメディアを活用して,作品をつくる。
2 作品発表会を開く。
3 学習について反省会を開く。
(一斉)○ 児童一人一人が学習計画に従って,表現活動に関わる特性を生かした表現活動を行なわせる。
○ 自己評価,相互評価を通して,特性を自覚させたり,友達の考えのよさを自分の考えに取り入できるようにする。5) 指導の概要
(オリエンテーション〜第3時) オリエンテーションでは,「学習の進め方」のプリントや参考作品を基に,公害の学習の「学び方」をとらえさ,表現意欲を高めるように努めた。
第1時では,身近な地域の環境破壊から県内及び日本各地の公害に目を向けさせた。
第2時では,四日市市の児童の登校の様子を示した写真や資料から,公害の原因について話し合わせた。さらに,VTRを利用し,四日市ぜんそくの様子や公害を防ぐ対策などについて調べさせた。
第3時では 日本の公害分布について調べさせ,「公害のようすやそれを防ぐための対策について調べ,発表しよう」という学習課題を設定した。また,調べる内容は,共通に調べる内容と個人の興味・関心による内容に分け,表現方法や表現形態についても,学習計画表に記入させた。
(第4・5時) 各種のメディアを活用し,計画表に従って調べさせた。特に,調べ方が苦手な児童に対しては,「学習の手引き」を使い,公害の原因や影響,住民運動,現在の公害などについてとらえられるように,個別に援助した。
(第6時) 調べて分かったことを発表し合い,次の体験学習に発展できるように,前時で使用した地域の環境汚染マップを活用した。
(第7時) 実際に汚れている場所に行って,ビデオ撮影などをした。その時に気付いたことをメモし,次の表現活動に生かせるようにした。ビデオカメラの使い方については,「撮影の手引き」を基に,休み時間などに自由に使わせた。
(第8・9時) 今まで学習したことを基に,表現活動の特性を生かして,新聞作り,紙芝居劇,ビデオによる表現活動を行った。ここでは,公害に対して自分の考えが表現できるように援助・指導した。また,試行的に作品発表時に,自己評価→相互評価→自己評価の順に評価活動を行い,お互いのよさを認め合うようにした。最後に学習の仕方などについて反省し,学習を終了した。
(2) 検証授業2 「明治維新を進めた人々」
1) 単元の目標
○ 五力条の御誓文を基に,明治の諸改革を理解させ,国力充実のためには,諸改革が強行であっても必要であったことを考えることができる。
2) 検証の観点
○ 表現活動の類型化や直接体験を取り入れた指導過程,自己評価と相互評価を組み合わせた評価活動が児童の表現力にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。