平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -101/156page

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3) 指導計画

小単元の指導計画
ねらい 学習活動 主な資料 表現力との関わり
1 ・ 幕末と明治初期の2枚の絵を見て,世の中のようすが大さく変化したことをとらえ,そのきっかlナとなる出来事について考えることができる。 1 幕末と明治初期の町の様子の絵を見て,気付いたことについて話し合う。
2 2枚の絵の違いについて表に整理する。
3 幕末の頃から明治初期までの主な出来事の年表を作る。
・ 日本橋の幕末明治初期の様子を表した絵
・ 明治初期の年表
・ 資料を読み取ることが苦手な児童に対しては,比較する観点を示しながら個別指導をする。
2 ・ 諸改革によって,江戸時代と違う世の中になったのに,どうして士族や農民が反乱を起こしたのか,そのわけについて考えることができる。 1 五箇条の御誓文とそれをもとにした諸改革について話し合う。
2 士族の反乱の絵図と分布図を見ながら地方の様子について話し合う。
3 反乱を起こしたわけについて話し合う。
・ 五箇条の御誓文の図
・ 士族や農民の反乱の分布図
・ 農民一揆のグラフ
・ 諸改革の年表
 
3 ・ 士族や農民が反乱を起こしたわけについて調べる計画を立てることができる。 1 どんなことについて調べたらよいか話し合う。

2 調べ方や表現方法について話し合う。

・ 略年表 ・ 学習計画に特性を生かした表現方法を選択させる。
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・ 計画にしたがって各種資料で問題について調べることができる。 1 士族や農民が反乱を起こしたわけについて,各種資料で調べる。
・ 諸改革の内容
・ 改革を進めた人物
・ 対外関係と富国強兵政策
・ 世の中の様子の変化
2 コンピュータで調べたことについて確かめる。
・ 明治の諸改革の図
・ 士族の商法の絵
・ 武士の特権の図
・ 西南戦争の絵
・ 人口構成のグラフ
・ コンピュータ
・ 調べ方が苦手な児童に対しては,ヒントカードを与え,個々に助言する。
・ 調べる中で,一人一人の考えたことをメモできるようにする。
6 ・ 士族や農民が反乱を起こしたわけについてとらえることができる。 1 調べたことをもとに,士族や農民が反乱を起こしたわけについて話し合う。    
7 ・ 博物館などで,明治維新について調べる。 2 博物館などで明示の改革について調べる。 ・ 博物館の資料
・ 学区内の石碑
・ 博物館などで具体的な資料を見学させ,実感的にとらえさせる。
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・ 士族や農民が反乱を起こしたわけについてとらえ,その原因となる諸改革は,日本を近代化するためには必要であったことを理解させる。 1 調べたことをもとに,自分にあった表現方法で表現する。
2 学習の反省をする。
・ これまでに使った資料 ・ 児童の特性にあった表現方法を選択させる。なお,グループで表現活動をする場合は,個々の児童のよさを生かした役割分担をさせる。
・ 自己評価,相互評価を行い,表現のし方について反省させる。

4) 指導の概要

(第1時〜3時) 第1時では,幕末と明治初期の絵の比較から,大きな変化のきっかけとなる出来事について,年表作成をする中で考えさせた。第2時では,五ケ条の御誓文や士族や農民の反乱の分布図を基に,「なぜ士族や農民は反乱を起こすのだろうか。」という学習課題を設定し,次時の学習計画を立てる段階につないでいった。学習計画立案の際には,表現方法や表現形態を自分で決めさせるようにした。

まとめの表現活動のコース選択の様子

表現方法の選択人数

A 新聞・感想文・カード・カルタなどでまとめる(13人)

B 絵年表・グラフ・絵地図などでまとめる(1人)

C ビデオやTPシート(OHP)などでまとめる(9人)

D コンピュータでまとめるコース(8人)

E 劇・紙芝居・人形劇でまとめる(7人)

      ( )内は.選択した人数

(第4・5時) 学級の中だけでなく,視聴覚室,図書館等を活用し,多様な学習メディアでの調べ学習を行った。

 また,調べ終えた児童には,自作の「CAI教材」に取り組ませ,調べ学習がより確かなものになるように配慮した。

 また,体験学習へ発展できるように,自作の「門田町の歴史」のデータベースの活用を図った。

データベースの目次
データベースの目次

(第6時・7時) 士族や農民が反乱を起こしたわけについて発表させ,情報交換を行った。次に,体験学習として,博物館の見学や石碑などの見学を行った。なお,コンピュータ,OHPなどの操作の仕方については,休み時間などを利用して指導した。

(第8・9時) まとめの表現活動では,調べたことを,表現活動の特性を生かして,様々な表現方法でまとめていった。グループの中でよさを生かした役割を分担し,協力しながら作業を進めていく姿が見られた。最後に発表会を開き,相互評価,自己評価を通して,特性の意識化と学び方の反省を行った。

3 実践の結果と考察

 2つの単元の検証授業を通して,下記のことについて,アンケート調査の結果,自己評価カードや先品内容の分析などから考察した。

(1)表現活動の特性の傾向の把握について

グラフ1(表現活動にかかわる特性の変化)
グラフ1(表現活動にかかわる特性の変化)

 前年の調査結果との比較から,次のようなことが分かった。学級全体の表現活動にかかわる特性では,特に,「ビデオ」による表現活動が好まれており(グラフ1),表現形態に対する特性では,「グループ」での活動が前年より好まれていることが分かった。これは,昨年から,担任が,ビデオを活用した表現方法を多く取り入れたからだ考えられる。この


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