平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -110/156page
った」,「すごい」などの生徒の発言や会話が多く見られ,生徒たちが,共感できる答えや面白い答えに出会うことで,自分の視点や見方を相対化し,互いに学び合う様子が観察できた。
2) 「ワークシート2」における生徒の取り組みと回答内容 [資料1参照]
回答に当たっては,何とか自分なりの命名をしようと懸命に考える様子が見られた。
「演習1」の手法名とその解説には,生活実感を伴った表現や自分の言葉による素直な表現が多く見られた。また, 「ワークシート1」の同作品についての回答と比較しても,その表現は,多様さや豊かさ,ユニークさを増したものになっている。また,「間法(このすき間により他のことを思わせる)」や「みたまんま法(窓とトイレを一緒にして,座って窓を見ている自分の存在を表した)」など,それぞれの生徒の工夫やとらえ方の深まりが強く感じられる回答が見られる一方で,「省合法(省略して合成する方法)」などのようにとらえ方の深まりに欠けると思われるものや, 「ドラえもんの異次元法(ドラえもんが上下違う異次元を合成した)」などのような,やや安易な比喩的表現によるものも見られた。
「演習2」の回答内容は,下に示す例のように彼らの体験や生活実感に基づいた具体的なものであり,表現手法や作者の意図を自分なりのアプローチで直観的に読み取っていることを感じさせるものであった。しかし,なかには,対象作品の形式的な手法の理解に留まっているものも見られた。
(3) 事後アンケートの結果について
授業の直後に行ったアンケートの結果は,次のようなものであった。 [資料2参照]
1) ワークシートについての感想
「ワークシート1」では,約6割の生徒が,自分の率直な感じ方や見方を表現できたと答えている。なかでも,「ウォーミングアップ」,「何だろう?」,「やってみよう!」の各問いについては,面白かったとの答えが多く,その理由には,「いろいろな見