平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -120/156page

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4 「探究活動」の授業での実践

 「探究活動」のテーマについては,旧課程「物理」の授業の中で下記の事例1,事例2について二人の授業者により実施した。事例1は新課程では「物理II」で扱われる内容だが,「探究活動」の進め方や評価の方法の効果を確かめるのには支障がないと思われる。

事例1「単振り子を用いた重カ加速度の測定」

(1) 分野:運動に関する探究活動

(2) 授業のねらい:単振り子の周期 T が重力加速度g と振り子の長さ l で決定されることから, T と l を測定することにより g の値を求めることができることを理解させる。

(3) 対象:2年2組男子46名,2年8組男子45名

(4) 実施期日:平成6年12月上旬

(5) 工夫したこと,配慮したこと

・ 事前テストを行って実験の原理を理解させるようにした。

・ 時間を確保するためにデータ処理にコンピュータを利用した。

・ 知識の定着状況をみるために事後テストを実施した。

(6) 活動の過程

段階 活  動  内 容 時間
計画
準備
実験の原理の理解(事前テスト)
役割の分担
1
測定
処理
周期と振り子の長さの測定
データ処理(コンピュータ利用)
1
考察
まとめ
検討,考察,自己評価,事後テスト
*報告書の作成は時間外に実施'
1

事例1 「単振り子を用いた重カ加遠度の測定」
事例1 「単振り子を用いた重カ加遠度の測定」

事例2 「比熱の測定」

(1) 分野:エネルギーに関する探究活動

(2) 授業のねらい:同じ熱量を与えても物質によって温度上昇の割合が異なる。水熱量計を用い,水の温度上昇から銅やアルミニュウムの比熱が求められることを理解させる。

(3) 対象:2年10組男子28名(選択)

(4) 実施期日:平成6年12月上旬

(5) 工夫したこと,配慮したこと

・ カップ麺の容器,10円玉,1円玉など,身近な素材を利用した。

・ 実験に使う材料や用具を与えて,手順は各班に考えさせた。

・ 測定結果を発表させ,相互に評価し合わせた。

・ 報告書作成のための時間をとった。

(6) 活動の過程

段階 活  動  内  容 時間
計画
準備
測定の原理の理解
実験の手順の検討
1
測定
処理
試料の質量や水温の測定
データの処理
1
考察
まとめ
検討,考察,発表,相互評価 1
報告書の作成,自己評価 1

事例2 「比熱の測定」
事例2 「比熱の測定」

5 実践の結果及び考察

 データの分析は,事例1については61名,事例2については16名,計77名について行った。

(1) 「探究活動」のテーマの選定について

 事例1,事例2ともよく行われる物理実験である。どちらも,ある関係式を利用して物理定数を求める


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