平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -128/156page

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(2) 教育用ソフトウェア開発の手順

1) 単元設定

 研究単元を設定するにあたって,A地区の学力診断テストの結果を分析してみた。

 その中で,分数の項目について抽出したのが下表である。

分数の項目について学力診断テストの結果

 「数と計算」の中で,正答率80%を下回っており,分数の単元は,指導が難しいところであることが分かる。分数のたし算やひき算の計算は,4年以降の学年の分数の学習の基本となる部分で,ここでのつまずきは,算数嫌いを作る大きな原因ともなる。

 そこで,研究単元を『第4学年 分数のたし算とひき算』に設定し,分数のたし算の計算の定着を図ることとつまずきを補強することを目的としたドリル型の教育用ソフトウェアを開発することにした。

2) 単元の指導内容の分析

 「分数のたし算」における指導内容の分析を行った。

 4年の分数のたし算の内容は,系統性があり,計算形式が徐々に難しくなるような配列になっている。

 たし算における計算の形式は,次のような流れになる。

[同分母分数のたし算における計算の形式]
同分母分数のたし算における計算の形式の学習の流れ

 本単元の最終目標が,同分母分数の帯分数と真分数の混在した計算ができるようになることである。

 だから,本単元の中心となる部分は,[:]の部分となる。また,この矢印の流れは,単元の学習の流れであり,計算の難易度も,この順に沿って難しさを増す。

3) 学習レベル別コースの設定

 上記の単元の分析をもとに,次のような学習レベル別のコースを作成することにした。

・ 同分母の真分数のくりあがりのないたし算・ 同分母の真分数のくりあがりのあるたし算・ 帯分数や真分数が混在した同分母分数のたし算・ 同分母の分数の3口のたし算

4) 「分数」学習のつまずきの分析

 分数のたし算を学習していく上で,陥りやすい間違いを分析してみたところ,大きく次の3っに分類することができた。

● 分数の意味が理解できない。
 分数の大きさは,単位の分数をもとに,「いくつに分けた,いくつ分」という基本的な考え方ができない。

● 分数の大小比較ができない。
 どこをどのように見ると大きさが比較できるのかというポイントが分からない。

● 仮分数と帯分数との相互変換ができない。
 今後の分数学習の基礎となるところであるが,形式的方法のみを覚えているため,相互に直す方法を忘れている。

5) つまずき補強コースの設定

・ 分数の大きさの理解コース
・ 分数の大小比較コース
・ 仮分数,帯分数変換コース

(3) 開発言語

 LOGO言語は,1967年ごろ米国のマサチューセッツエ科大学(MIT)のシーモア・パパート(S.Papert)教授らが開発した教育用コンピュータ言語である。

  LOGO言語は,子どもにも扱えて,子どもの創造性や論理的思考力を育てるためによいと言われている。

 その他,LOGO言語には次のような長所がある。


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