平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -134/156page

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ようにしてほしい。

・ ヒント画面のポーズ機能がほしい。

 これらの内容をもとにしながら,より使いやすく,内容の充実した教育用ソフトウェアとなるように修正を加えるとともに,くり返し授業実践と評価・改善を重ねていかなければならないと考える。

 ドリル型の教育用ソフトウェアに限らず,授業でのコンピュータの活用を図っていく場合には,この研究を通して実践してきたような教育用ソフトウェア開発に向けての構想や手順をふまえていくことが大切である。

 そして,何よりも教師自身が,ふだんから教材を見る目と児童を見る目を十分に養った上で,授業でのねらいに迫るために必要な教育用ソフトウェアの開発の構想を練り,それにしたがって手順をふまえて開発し,実践し,改善を図っていくことが必要である。

 このくり返しによって教育用ソフトウェアの内容もより充実したものとなり,コンピュータの活用の推進にもつながっていくと考える。そうした意味では,本研究が授業におけるコンピュータの活用に向けての一つの手だてを示すことができたと考える。

2 今後の課題

(1) 個に応じるために

 児童は教師が考えている以上に様々な反応を示すものである。この研究でも,ソフトウェアを開発するに際しては,その点を十分に配慮してきたつもりではあるが,それでもまだまだ不十分な面が見受けられた。さらに,コンピュータ操作に関しても同様で,児童はどんな入力をするか分からない,予想もつかない場面が生じたりすることも見受けられる。完全とは言わないまでも,あらゆることを想定した対策をさらに講じて,新しい学力観にもとづく授業を展開していく上で,コンピュータを活用することがより有効なものとしてはたらくように努めていかなけれぱならない。

(2) 開発した教育用ソフトウェアの改讐と充実

 今回開発したソフトウェアに対しては,「1研究のまとめ」で述べたように,様々な問題点等が指摘された。さらによりよいものとするためにも,今後とも教育用ソフトウェアの改善と充実に努めていかなければならない。

 また,今回は,学習の定着の時間での活用ということを中心にして教育用ソフトウェアの開発をしてきたわけだが,児童の問題解決活動を支援していくという意味から,問題解決型やシミュレーション型の教育用ソフトウェアも開発し,学習の導入の場面や展開の場面においても活用することができるように努めていかなければならない。

(3) 少数台数への対応

 県内の小学校の場合には,まだまだコンピュータの導入率が低いのが現状である。したがって,少ない台数においても活用が図られるように,例えば,1台のコンピュータをOHPと同じように活用したり,グループ学習でツールとして活用したりといった,少ない台数においても活用が図られるような手だてとそのために必要な教育用ソフトウェアの開発を考えていき,コンピュータの効果的な活用へとつなげていかなければならない。

 最後になりましたが,試行授業に際してご協力いただきました,いわき市立平第五小学校 鈴木光雄先生,南会津郡田島町立荒海小学校 高橋宣朗先生に心から感謝申し上げます。

[参考文献]

「情報教育に関する手引」 (文部省)

「小学校算数指導資料 指導計画の作成と学習指導」(文部省)

「ロゴライター2 リファレンスマニュアル」 (ロゴジャパン)

「授業を活かすコンピュータ」 (ぎょうせい)

「コンピュータの理論よりも教育の理論を前面に」
 富山大学教授 山極 隆 (学研「NEW教育とマイコン」)

「新しい学力観と情報教育」
 富山大学教授 山極 隆 (学情研「学習情報研究」)

「研究集録」
  松尾 龍輔 (平成5年3月具志川市教育研究所)


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