平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -139/156page
(2) 対象学級の生徒の実態調査と考察
本研究では,生徒の二次欲求を知るためにDATを実施した。DATの結果を見ると「適応傾向」の危険性が「やや大」あるいは「危険性大」に項目が一っでも該当している生徒は,図1に表示したとおり,男子で17名中5名,女子では16名中8名であった。
その他の「適応傾向」の危険性がどの項目においても小さい生徒については,それほど危険とする問題点は見いだせない。しかし,DATで生徒が選んだ質問肢のひとつひとつに目を当てると,そこから問題点や生徒の不満を読み取ることができる。それが図2である。質問肢ごとに,どのくらい実際は,不満を感じているのかその度合いがわかった。ここに例としてあげた生徒の場合は,不満の程度を10段階で示した場合,不満の8の度合いが二っ,7の度合いが一っ,5の度合いが二っ,4の度合い3の度合いがそれぞれ一っという結果であった。
このように,「適応傾向」の危険性が「小」とはいいながら,質問肢からは生徒の不満の様子をとらえることができた。
この生徒のような「劣等感」「学校生活への不満などにかかわる欲求や,その他,「対人関係がうまくいっていない」ことへの不満などが多くの生徒の中にみられた。
図1(危険性やや大,危険性大に該当する生徒)
DATの結果から,「危険性やや大」「危険性大」に該当する項目の略語を表示する。
家庭不適応−家 学校不適応−学 自己不適応−自 対人不適応−対
男 子 女 子 出席番号 危険性やや大 危険性大 出席番号 危険性やや大 危険性大 9 家 対 1 家 自 対 10 対 2 自 対 学 12 自 8 学 16 学 対 9 家 自 17 家 自 10 家 学 12 家 14 学 対 15 家 3 エンカウンターの手法を用いた実践
(1) 場面と目的
ア 授業の導入に位置づけ,ウォーミングアップとしての効果をねらう。
イ 学級活動,短学活の時間に,人間関係を醸成し,学校生活への意欲の高まりをねらう。
アのすすめ方
1) 肩たたき ○ 二人一組になって下さい。首筋から背中までリズミカルにたたきましょう。お互いに2,3分です。
2) 見つめ合い
○ 手を取り向かい合って座り,目を見つめましょう。相手が目を反らしたら手で合図します。相手の迫力に負けるな。
3) 牛乳ビンの利用方法について考えよう
○ 5,6人のグループになって下さい。
○ 今日は,頭を柔らかくするためのトレーニングをします。頭にひらめいたことを班ごと