平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -142/156page

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図3
1 国語の学習がおもしろいと感じた。
2 自主的に授業に取り組もうと思った。
3 自主的に授業に取り組めたと思う。
4 意見や考えを発表しようと思った。
5 意見や考えを発表することができた。
6 級友の意見や考えに刺激を受けた。
7 級友の意見や考えが理解できた。
8 自分の意見や考えが級友から認められたと思う。
9 自分の意見や考えが先生から認められたと思う。
10 学習した内容が理解できた。
11 もっと主体的に考えたり発表したりしたいと思った。

国語の授業についての感想  12月8月実施
国語の授業についての感想

 この調査は,比較の基準が生徒個々の感覚的なところにゆだねたものではあるが,どの項目においても「よく感じた」の割り合いは高い結果を示し,「少し感じた」を含めれば,予想以上に高いものであった。項目の1.3,7からは,活動における生徒の欲求の充足がみられ,項目2,4,11には意欲の高まりを感じ取れる。項目8,9の級友や先生から認められたと感じた生徒と項目5の意見や考えを発表することができたとする生徒との間には相関関係があることが読み取れた。

VII 研究の成果と課題

1 生徒一人一人に見られる変容

DATによる事前調査と事後調査の比較

図4  Y男 ○−事前  −事後
DATによる事前調査と事後調査の比較

図5   ←○ 事前から事後への変化
右はじの 10 は「とても不満」の数字
左はじの 10 は「とても満足」の数字
DATによる事前調査と事後調査の比較

  Y男は,学級の中でも静かで優しい生徒である。しかし,DATからは,「対人不適応」での不満感の高い生徒であることがわかった。国語の形容詞を学習するロールプレイングの場面を再生して,変容の考察を加える。

T : ここに用意した封筒に,ことばのカードが入っているが,教室の前で動作に表現してみんなに当てさせよう。やってみたい人は。(K男がハイと手を挙げる,そのあと5人が挙手)

M子: じゃ,私がやります。みなさん当てて下さいね。(封筒からカードを取り出し,演技する)I君はわかりますか。丁子さんはどうですか。

(いろいろやったが,うまく表現できず思い余って) Y君のような人のことです。 (とY男を指差した)

(生徒は,一様に「ああわかった」といい,ハイハイと手を挙げる。「やさしいです」と,みんなが声をあげる)

 このような授業での場面も,大きく影響したのか対人不適応の項目のところが,大きく不満を解消し危険性大から危険性小に変わりどの項目も不満が小さくなっていることがわかる。また,DAT調査で選んだ質問肢も図5のとおり,不満の度合いが小さくなった。


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