研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -031/156page
5 2教科連携で開発した教材の有効性に関する研究
家庭科と理科で連携して実施した教材「エコ・クッキングを体験してみよう」について,各校種で教材として使用できるように改善するため,研修結果を参考にして,協力校の担当教師の意見も取り入れながら,発達段階に応じた指導内容及び指導方法について検討を加えた。
そして,教材名を「エコ・クッキングを通して環境を考える」とし,小・中・高等学校で授業を実践し,その有効性を調べた。
(1) 教科における環境教育のねらいと本教材とのかかわり
2教科の環境教育のねらいを踏まえて,本教材では,調理実習や排水の汚れ度調査などの実践的・体験的活動を通して,環境保全への意識を高め,環境に配慮した生活ができるようになることをねらいとした。
環境教育のねらい 家 庭 科 理 科 家庭生活を取り巻く環境問題について,衣食住に
関する具体的な実践活動を通して意欲的にかかわり
環境保全へのよりよい生活様式の創造に向けて主体
的に取り組んでいく態度や能力,技能を身に付ける。身の回りの環境問題について,自ら観察・実験を
行う体験活動を通して意欲的にかかわり,人間を含
めたよりよい環境の創造に向けて主体的に行動で
きる態度や能力,技能を身に付ける。↓
教材名「エコ・クッキングを通して環境を考える 本教材では,調理実習を通して水をできるだけ汚
さない工夫や残菜をできるだけ少なくするような工
夫を考え,自ら進んでよりよい調理方法や後始末の
仕方,ごみの適切な処理が実践できる技能を身に付
ける。本教材では,各家庭の生活排水の水質をパックテ
ストによるCODや透明度などの測定あるいは生物へ
の影響面からの観察等を通して,生活排水の生物を
含めた自然界への影響について考察し,生命の尊重
や自然環境の保全などへの意識を持つ。↓
環境に配慮した生活ができるようになる (2) 本教材の教科間の関連と系統性
本教材における2教科間の関連と系統性は次の通りである。