平成7年度 研究紀要 Vol.25 -169/170page
(分類基準G4-03) テーマ 個を生かす生徒参加型の教材開発と
要旨
指導法の研究
本研究は学習に対する情意面を高めて基礎学力の向上を図ることをねらいとし、天体観測が困難な金星や火星の視運動についての簡易なモデル教材とソフトウェア等を開発して、授業を通して進めた研究である。
モデル教材は生徒に自主的な参加を促す、簡単なつくりで意外性があり、生徒の関心と意欲を高め、主体的な探究学習が図れた。また、ソフトウェアは観測日ごとのデータを自ら入力して火星の移動を模式的に体験でき、作図法と併せて主体的な考察から空間概念の育成に役立った。
(分類基準G1-05) テーマ 読解力を育てる指導の工夫
要旨
〜三つの要素を持った発言を通して〜
本研究は、文学教材の指導において、児童・生徒が主体となって読解力を伸ばしていく指導をするために、話し合いの場の児童・生徒の発言の仕方に着目し、三つの要素を持って発言させるようにしたものである。すなわち、「手がかりとなることば」「読み取ったこと」「手がかりとなることばのとらえ方」の三っの要素を入れた発言をさせることによって、より多様にことばに着目しながら読み取ることができるように追究したものである。
(分類基準G6-02) テーマ 体育科における個に応じた学習指導の工夫
要旨
一MSTBとムーブメント教育を通した
低学年における運動能力の育成一
本研究は、児童の体育学習への意欲的な取り組みを促すなかで、児童一人一人の実態に応じて運動能力を向上させるにはどのような指導方法があるのかを、文献研究や検証授業を通して明らかにすることをねらい低学年において実践を行ったものである。
苦手な運動属性を探るためにムーブメントスキルテストバッテリー(MSTB)を活用し、ムーブメント教育を取り入れながら、運動能力の育成の方法を追求した。
(分類基準G5-05) テーマ 即興的表現による「アジアの民族昔楽」
要旨
へのアプローチ
〜フィリピンの民族楽器「トガトン」を使って〜
本研究は、高等学校における「アジアの民族音楽」の授業の在り方を探ることを目的として、特にフィリピンの民族楽器「トガトン」を使った「即興的表現学習」に視点を当て、授業実践を行ったものである。
その結果、グループによる「即興的表現学習」の活動を通した、いわゆる「創作」(音楽づくり)と「表現」(演奏体験)の学習によって、「アジアの民族音楽」が生徒にとってより身近なものとなり、新鮮な感覚でその楽しさを実感するのに十分有効であった。