研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -003/170page

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このテストでは,正答率70%,信頼度95%,推定の精度2.5%を目標とするために,次の数式により,標本数を導いた。
N:母集団数      d:推定の精度
k 2 :信頼度の定数(1.96) p:正答率

数式その1


数式その2

(2) 到達度を満たすための手続き
 検証のための仮説をもとに,予備テスト結果の判定基準を得るために,到達率の具体的な目標数値を次のように設定した。
γ:正答率
w:誤答率
b:無答率
 1.γ> w+b の場合
  ・出題内容が不適切
  ・問題が易しい
 2.γ<w+b の場合
  ・問題の難度が高い
  ・出題が不適切
 3.γ<w<b の場合
 ・問題の難度が高すぎ
 ・問題が多すぎ
 予備テストは1.の立場に立ち.県全体を母集団とし,その中から県の標準的な水準の学校・学級を抽出して実施した。標本数は各教科150人で1学級30人と想定しての5学級程度とした。
 集計による到達度の判定は,観点別S-P表と.全体のS-P表を用い,観点別・小問別の正答・誤答・無答の分布から到達率を判断するとともに,S-P表の「注意係数」によって問題の適否を判断した。

<S−P表に見る「注意係数」>
<S−P表に見る「注意係数」>

(3) 到達度に客観性を持たせるための開発過程
 テスト開発の目的,作成対象学年,方針,基準の決定に基づき,次の手続きに従って問題開発を推進した。
 1.作問のための学習指導要領の分析
  ・教科の学力観,到達目標,診断要素(設問項目),診断内容(設問内容)の具体化
  ・学習指導要領分析表(要素表)の作成
 2.テスト項目の抽出
  ・各観点を代表する項目の抽出
 3.設問作成
  ・学習指導要領の教科目標及び内容を基準に
  ・県内で使用されている教科書に準拠
  ・市販テストとの照合,類似設問の破棄
  ・観点のバランス
 4.検査時問,実施方法,採点方法の決定
 5.テスト用紙の編集
 6.評価基準(到達基準)の設定
  ・観点別一括判断に基づく方法
  ・個々のテスト項目の判断に基づく方法
  ・児童生徒の達成状況の判断とテスト実施に去づく方法
 7.予備テスト実施校の決定
  ・大・中・小規模別,教育事務所管内別,文化圏別
 8.予備テスト実施校の依頼
  ・実施校,教育委員会への依頼と確認
 9.予備テストの実施
  ・教科x150人(正答率70%,信頼度95%,推定精度2.5%)


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