平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究1 -105/170page

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(資料5)
(資料5)

思ったか」の観点(前掲)が参考になったようであった。ワークシートの書き込みを見ると,学習の初めの段階では,児童のほとんどが,「読み取ったこと」(B)の「気づいたこと」も,「手がかりとすることばのとらえ方」(C)の「なぜ,そう思ったか」も,この要素の書き方を適切にとらえて書いていたが,学習が進むにつれ,「手がかリとすることば」(A)の「書いてあることば」の部分を,文単位で選ぷ傾向が見られ,BやCのとらえ方も少しずれてしまう面も見られた。この点については,今後検討していく必要がある。
(2) 三つの要素をおさえた発言による話し合いについて
 第3次,第8時の教師の発問についての話し合いの一部を,次にあげる。
T おみつさんが、大工さんのよさに気づいたころは、いつでしょう。

P1 「うれしくてうれしくておがみたいような気がしました。」(のところ)

T なぜですか。

P1 前にわらまんじゅうだとかいわれて、なかなか売れなかったのに、このとき悪いことは言われなかったので、おがみたいような気になった。(から)

T 「おがみたい」ということは、どういうこと

P2 神様のように思っている

T そのほかにありますか。

P3 P70のL9に「おみつさんはいつの間にか、その大工さんの顔を見るのが楽しみになっていました。」と書いてあるので、何回か買ってもらってから、大工さんのことがいいと思ったんだと思います。そのわけは、大工さんが買ってくれるのが楽しみになっているからです。

T そのほかに、おみつさんが大工さんのよさがわかったというところはないかな。

P3 P72のL12に「自分といくらも年のちがわないこの大工さんが、なんだかとてもたのもしくて、えらい人のような気がしてきたのです。」とあるので、おみつさんはこのときから大工さんのことをいいと思ったと思います。そのわけは、えらい人のような気がしてきたからです。

P4 「気がしてきた」ということは、前まではそうではなくて、今初めてそうなったということだからだと思います。

 <以下省略>
※ 発言中の( )は、意味をわかりやすくするために付け加えたもの

 1.三つの要素を持った発言について
 ワークシートに書き込んだことの発表の場では,三つの要素をおさえて発言していた。課題や発問に対しての話し合いではラP3のように,三つの要素を入れて発言しようと意識している児童もいたが,P1のように,断片的にある要素を発言する児童が多かった。その際,教師が助言しながら他の要素も発言させるようにした。話し合いで,Cの要素も適切にとらえて発言することは,まだ,難しいようだが,P5のように,断片的ではあっても一Cの要素を適切にとらえて発言する児童も出てきた。
 2.ことばのとらえ方に気づくことについて
 Cの「なぜ,そう思ったか」を考える際の観点は,


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