研究紀要第108号 「一人一人のよさや違いを認め合う学級の人間関係づくりに関する研究」 -053/175page

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2 本年度の実践計画

(1) 構成的グループ・エンカウンターの選定

構成的グループ・エンカウンターの選定にあたっては,発達段階や学級の実態に応じた内容にするために,担任と協議しながらそれぞれの学級にふさわしいものとなるよう工夫した。

各校種別に特に留意した点を,以下に述べる。

1. 小学校<4年生>

2学級とも3年生からの持ち上がり学級であるため,友達関係が固定化している傾向がみられる。そのため,親しい友達のことはよく知っていても,他の友達のことはあまりよく知らないという児童もみられる。

そこで,まずは友達のよいところを知るためのきっかけづくりとなる演習を選んだ。その上で,自分の考えを自由に表現できる内容の演習を選び,何でも言い合える人間関係づくりを進めていくことにした。

なお,発達段階から言語能力が未熟で自分の気持ちを思いどおりに言語化できない児童も多いことから,進め方については4年生でも容易に取り組むことができるよう配慮した。

2. 中学校<2年生>

中学校では,以下のような点に留意して演習を選定した。

○ いろいろな角度から互いのよい点に目を向けることができるよう,体を使った動きのある演習も取り入れる。

○ 演習の配列では,最初は自分に目を向けることができるものとし,徐々に他者とのかかわりが増える演習とする。

○ 生徒一人一人のアイディアを生かすとともに,それぞれの考えを表現しやすい内容のものを選定する。

(2) 構成的グループ・エンカウンターの実践計画

本年度の構成的グループ・エンカウンターの実践計画は次のとおりである。(資料5)

各演習の実践時間は授業時間1時間とした。また,継続して演習に取り組みやすくするため,朝や帰りの会などの時間を活用し,10分間程度ずつ演習を分割して行うことにした。演習の流れは,はじめにねらいと概要を話し,ウォーミングアップを行ってからねらいとする活動に入ることにした。

(資料5)構成的グループ・エンカウンターの実践計画
校種
学年
教科等 演 習 名
小学校4年 <分割> あなたへのメッセージ
体 育 信頼の目かくし歩き
学級活動 ブレーンストーミング
<分割> ブラインドデート
道 徳 立場かわれば
中学校2年 学級活動 私ってどんな人?
<分割> 今週のスポットライト
道 徳 目かくしジョギング
学級活動 立場かわれば

展開の中では,必ず,互いの選択や考え感想等を発表させるようにして,自己理解や他者理解を深め,他者とのかかわりをもたせるようにした。まとめの段階で使用する振り返り用紙には,「特に印象に残った友達」の欄を設け,友達とのかかわりを意識させながら演習の振り返りや感想等を記入させることにした。また,分割実践では,振り返りは最終回に行うことにした。

(3) 小集団による話し合いの指導援助計画

小集団による話し合いについては,下記のような方法で実践することにした。

1. 手順

 ア 小集団による話し合いの説明(テーマについても含む)をする。

 イ 必要に応じて,面接等により個別に参加への意欲づけを図る。


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