研究紀要第108号 「一人一人のよさや違いを認め合う学級の人間関係づくりに関する研究」 -060/175page
でいました。ぜひ,そのことで話し合いをしたいと思います。 C:ぼくも,どの高校にするかだけでなくて,将来のことを話したいと思うんですが。 T:じゃ次は,将来のことについて話し合うことにしようか。 3. 事後の段階
合計3回の話し合いを実施したが,事後の段階では次のような点に留意して指導援助にあたった。
○ 話し合いの最後には,自己評価により個人ごとにまとめを行うようにした。(資料9参照)
○ 話し合いの中で出された一人一人のよさとそのことに気づいたすばらしさは,機会をとらえて個人ごとに言葉をかけ,そこで伝え返すようにした。
また,その中のいくつかは,個人の了解の後に学級全体へも伝え,互いのよさを認め合うことへの強化を図った。
(資料9)小集団による話し合いの自己評価の一部 <中学2年生 C男>
V 児童生徒の変容
1 順応児童生徒の変容
まず,前述した順応児童生徒A子,B男,C男の変容をみることにした。特に変容の大きくみられた点について以下に述べる。なお,アンケートの事前調査は平成8年6月に,事後調査は平成8年12月に実施したものである。
(1) A子(小学校4年P組)
1. 構成的グループ・エンカウンターを通して
友達のよいところを知るための演習として,最初に『あなたへのメッセージ』を分割で実施した。この演習は,昨年度も実施しているが,「4年生になって新たに見つけた友達のよいところを書いてみよう」と投げかけて開始した。
(資料11)は,昨年度と本年度のA子の振り返り用紙を比較したものである。昨年度の「印象に残っ