平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -070/175page

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のではないかと考えたからである。

(4)ディベート・マッチにおける勝敗

ディベート・マッチを行う場合,児童の心理や人間関係を考えて,勝敗をつけずに終了することも多い。本研究では,次のようなことに配慮して,ディベート・マッチに勝敗をつけることにした。

 1. ゲームとしてディベート・マッチを行うこと

 2. 議論は正々堂々と行うこと

 3. 不当な個人攻撃はしないこと

 4. 負けたチームへのフォローをすること

 5. それぞれ決められた立場で議論したことを確認させること

1.,2.,3.は児童向けに,4.,5.は教師の配慮として行うことにした。勝敗をつけるねらいは,それにより児童にめあてを持たせ,意欲的に課題追究に取り組ませることができると考えたからである。なお,ディベート・マッチの流れは次のようにした。

「ディベート・マッチの流れ」
1 肯定側立論・・・・・・・・5分
2 否定側立論・・・・・・・・5分
3 作戦タイム1・・・・・・5分
4 論  戦・・・・・・・・15〜20分
5 作戦タイム2・・・・・・2分
6 否定側結論・・・・・・・・3分
7 肯定側結論・・・・・・・・3分
8 判定・講評・・・・・・5〜7分
 

(5)授業の実践

【授業1】「みんなの願いを実現する政治」

1. 単元の目標

○ 公共施設の建設や災害復旧への取り組みなどの事例から,自分たちの生活と政治との関わりに関心を持つ。

○ 身近な生活事例と結びつけて,生活と政治とのつながりについて,自分なりの考えを持つことができる。

○ 身近な生活の問題や各種の基礎資料等を活用し,広い視野から社会事象を政治との関連でとらえることができる。

○ 現在の政治は,国民主権の考え方に基づき,国民の選んだ代表者による議会政治によって成り立っていることを,選挙や国会の仕組みや働きを調べることにより理解する。

2. 指導計画(総時数 11時間)

主な学習活動・内容
○ 学校建設について調べ,地方の政治に関心を持つ。
○ 議会を見学し,地方の政治の仕組みを調べる。
○ 阪神大震災の救援活動を調べ,国と地方のつながりを理解する。
○ 消費税5%の問題から,国の政治と自分たちの生活との関わりに関心を持つ。
○ 自分たちの生活がもっとよくなる方法を考え,政治が国民の願いをかなえているかどうか考える。
○ 国の政治に対しての課題を持つ。
政治は,私たちの願いをかなえているか。
○ 国の政治について調べる。
 ・ 選挙のしくみと問題点
 ・ 国会のしくみと役割
 ・ 内閣のしくみと役割
 ・ 政治と司法の関係
 ・ 政治と国民とのつながり
○ ディベート・マッチを行う

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