平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -080/175page

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3 自己評価の工夫と活用

関心と意欲は,児童の自己評価によって区別してとらえることができることが昨年度の研究でわかった。そこで,関心,意欲,思考の間にどのような関係があるのかを見るために,授業の後に図5に示す内容で自己評価させた。項目1〜4で関心,項目5〜8で意欲,項目9〜12でその授業において学習した内容の理解度を通して,科学的な思考の達成をみることにした。(事実関係,相互関係,因果関係総合関係)としてとらえることにした。

<図5>

『今日の授業をふりかえって』(事後)

授業中や、授業の後での自分の気持ちについて、それぞれもっとも近いと思うものを表1の1〜5の段階で自己評価をし、数字を○で囲んで下さい。

【表1】
段階 項 目
5 とてもよくあてはまる
4 あてはまる
3 どちらでもない
2 あまりあてはまらない
1 まったくあてはまらない

No. 項 目 自己評価
1 「なぜ、どうして」と思うことがあった 5 4 3 2 1
2 考えてみようと思うことがあった 5 4 3 2 1
3 調べてみよう(探してみよう)と思うことがあった 5 4 3 2 1
4 やってみたいと思うことがあった 5 4 3 2 1
5 「なぜ,どうして」と思うことを解決しようとした 5 4 3 2 1
6 自分から進んで考えた 5 4 3 2 1
7 自分から進んで調べた(探した) 5 4 3 2 1
8 自分から進んでやった 5 4 3 2 1
9 食塩が水50cm ,水100cm にとける量は,きまっていることがわかった 5 4 3 2 1
10 食塩を水にとかしたとき全体の重さは,変わらないことがわかった 5 4 3 2 1
11 食塩が100cm の水にとける量は,50cm の水にとける量の2倍になることがわかった 5 4 3 2 1
12 食塩がとけている水の量を減少させると食塩が取り出せることがわかった 5 4 3 2 1

4 「自分の考えを深めるカード」への支援

個別指導のために「授業のまとめ」の前に,先生の説明や観察・実験の結果,友達の発表などを聞いて「自分で考えたこと,わかったこと」を書くことを指導過程に位置付け,単元終了まで継続した。

また,これを継統することで自分の考えを深め,自の考えに自信を持つことができるように教師の朱記による支援を継続した。

<図6>
<図6>

3時間目の授業で自分で考えたこと,わかったこと教師の朱記による支援(抜粋)

<自分で考えたこと,わかったこと>
50cm では10杯とけた。100cm では23杯とけたということがわかった。私は,もっと早くとけなくなると思っていたけどけっこうとけるということがわかった。
<教師の朱記による支援>
 決まった水の量にとける食塩のも決まっているんだね。

5 思考にかかわるテスト問題の作成

授業実践の単元「もののとけかた」の科学的な思考についての問題を思考の事象の認識段階にそって作成し,単元の事前と事後に行ったテストの一部である。また,テストの診断にS−P表を活用した。

<図8>
○ 食塩やホウ酸が水にとけるとき,水の温度によってとける量が変わるかどうか調べました。はじめ20℃の水100cm に食塩やホウ酸がどれだけとけるか調べました。つぎに温度を上げて,それぞれとける量を調べたら次のようになりました。
水100cm にとけた食塩やホウ酸の量
水の温度 20℃ 40℃ 60℃ 80℃
食塩(g) 35 36 37 38
ホウ酸(g) 4 8 14 23


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