平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -081/175page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(1)上の表をもとに,食塩の例にならって,ホウ酸のとけた量をグラフで表してみましょう。
(例)水の温度と食塩のとけた量 水の温度とホウ酸のとけた量

<図8>

<出題の意図>
何℃の水には何gのホウ酸がとけたかということがわかる。( 事実関係 をつかむ)グラフから,温度によってホウ酸のとける量に違いがあることがわかる。( 相互関係 をつかむ)
(2)食塩やホウ酸のとけかたについて,表やグラフからわかることをすべて書いてみましょう。
<出題の意図>
食塩とホウ酸では,温度によるとけかたにちがいがあることがわかる。( 総合関係 をつかむ)

さらに単元の学習をもとに児童の創造性を豊かにする一つの方法として,下記のような題で自分の考えている夢を自由に描かせた。

あなたは超天才科学者で「魔法の水」を作りました。あなたの作った「魔法の水」とは,どんな水ですか。また,あなたはなぜそのような「魔法の水」を作ったのですか。

VI 授業の実践

1 授業者 耶麻郡塩川町立塩川小学校教諭
山内 徹 先生
2 対象児童 5年2組(33名)
3 単元名 「もののとけかた」

4 単元の目標(学習指導要領B(1)ア・イ・ウ)

(1)自然事象への関心・意欲・態度

 1. 食塩のとけかたに興味を持ち,進んで食塩がとけるようすや液のようすを調べる。

 2. ホウ酸のとけかたに興味を持ち,進んで実験して,食塩の場合との違いを見つけだそうとする。

(2)科学的な思考

 1. 食塩のとけかたについて,食塩水を見て,いくつかの疑問を考え出すことができる。

 2. 観察・実験をもとに,食塩のとけかたのきまりを見つけ出すことができる。

 <事実関係>

  ・何度の温度には何杯とけるかがわかる

 <相互関係>

  ・温度変化によるとけかたのちがいがわかる

  ・とける量には限界があることがわかる。

 <総合関係>

  ・食塩とホウ酸では温度によるとけかたにちがいがあることがわかる。

 3. 食塩とホウ酸の水温によるとける量の違いから水温降下にによる析出量と蒸発による析出量の違いを考えることができる。

 <因果関係>

  ・水のとける量との関係がわかる。

  ・温度によるとける量の関係がわかる。

(3)観察・実験の技能・表現

 ○ 食塩のとけかたについて調べる実験,ホウ酸と食塩の水温によるとける量の実験を安全に注意して正しく行い,結果を記録することができる。

(4)自然事象についての知識・理解

 1. ものが水にとける量には限度があることを理解する。

 2. 水溶液の水を蒸発させると,とけていたものが水と分かれて出てくることを理解する。

 3. ものが水にとけても,全体の重さは変わらないことを理解する。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。