平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -083/175page

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C:水を加えたらとけるかも。水を加えたらとけた。先生とけたよ。
T:よくとかすことができた。

 <終末段階>

本時の学習のまとめの前に「自分の考えを深めるカード」に自分で考えたこと,わかったことを書くようにさせた。実験結果を各班ごとに発表させ,まとめをノートに書かせ,自分の感想を書くようにした。

このような授業の流れを単元全体を通して行った。

(3)授業の概要

支援要求傾向を調査し,要求が学級平均より高い項目「学習のめあてをつかむことができる」「実験の計画を考えることができる」「自分なりの解決方法を考えることができる」の支援内容を全体の課題を確認し,「自分の課題を立てる」「自分の予想を立てる」「実験計画を立てる」ことをノートに書くように指導過程に位置付け支援する授業を展開した。

また,思考を事象認識の段階からとらえた思考活動を指導過程に位置付け,「自ら考える場」への課題を与えた。さらに,学習のまとめの前に観察・実験したことなどから,自分で考えたこと,わかったことを「自分の考えを深めるカード」に書くようにした。授業後に個別指導のための教師の朱記による励ましの支援をした。

この授業では,各班での話合いを十分に行わせ,各班の課題にそって実験計画を立て,実験を進められるように計画した。子どもたちは生き生きと意欲的に観察・実験に取り組んでいた。このような授業の流れを単元全体を通して行うとともに検証授業2でも同様に行った。

VII 実践の結果と考察

1 支援要求傾向の変容

指導前後の支援要求傾向の変容をテスト成績の上・中・下位群別に調べた。

テスト成績は,科学的な思考にかかわるテスト問題の成績で上・中・下位に該当する児童それぞれ12.0%(4人)を抽出した。

支援要求傾向の変容(上位平均)
支援要求傾向の変容(上位平均)

支援要求傾向の変容(中位平均)
支援要求傾向の変容(中位平均)

支援要求傾向の変容(下位平均)

支援要求傾向の変容(下位平均)

上・中・下位児では,項目1「学習のめあてをつかむことができる」,項目2「実験の計画を立てることができる」,項目8「自分なりの解決方法を考えることができる」が共通して高くなっている。このことは,支援内容を指導過程に位置付け支援した効果の表れであり,「〜することができる」ようになり,意欲が高まり,さらに援助してほしいという欲求が強くなってきたと思われる。

特に上・中位児では項目2,8が高く,中位児では項目3,10低くなっている。下位児ではすべての項目が高く,教師への期待が高まり,援助を望む


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