平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -086/175page

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<学習活動と支援の様子>

5 思考にかかわるテスト問題について

(1)S−P表の活用
(1)S−P表の活用

テスト問題の診断のため事前,事後にS−P表を活用したことは学習結果の分析に役立った。事後のS−P表を見ると注意係数が小さく,正答率も高くなり,妥当な問題であったと考える。

(2)自分の考えた夢「魔法の水」

(2)自分の考えた夢「魔法の水」

環境問題の改善や病気の治療などへの関心が高く,多くの児童が幸せを求めようとしているのがわかった。

このような自由な思考を促す課題を取り上げ,認め,励まし合う指導も必要なことであると考える。

VIII  研究のまとめ

1 研究の成果

(1)児童の支援要求傾向を把握し,これに配慮した支援や「自ら考える場」を位置付けた指導によって,児童の情意面を活性化することができた。

(2)個別指導のための「自分の考えを知るカード」に朱記による支援を継続したことによって,自分の考えに自信を持たせることができた。また,教師と児童の信頼関係が醸成できた。

(3)科学的な思考を事象認識の段階という視点からとらえたことで思考活動を活発にするための指導過程が明確になり,進んで考えさせることができた。

(3)情意面を活性化することによって,意欲的に思考活動するするようになり,知識・理解を自ら獲得できるようになった。

2 今後の課題

(1)学んだ知識や関心をもとに自分の考えを自由にえがかせる授業を今後重要視する必要がある。

(2)互いに認め,励まし合い,自己を高める相互評価の方法を探っていきたい。

本年度の研究にあたっては,授業の実践と資料の提供をしていただいた,耶麻郡塩川町立塩川小学校の校長先生,山内徹先生および多くの先生方にご協力をいただきました。心から感謝申し上げます。

<引用・参考文献>

(1)注1)北尾倫彦編集小学校「思考力・判断力」P.6〜7  図書文化社(1995)

(2)注2)福島県義務教育課編「基礎学力向上の手引」P.7 (1996)

(3)北尾倫彦編集小学校5年「観点別学習状況の評価基準表」図書文化社(1994)


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