平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -087/175page

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本県における生活科指導計画の在り方を求めて

−各校の指導計画の現状とその分析から−

長期研究員  山 邊 彰 一

研究の趣旨
 本研究は,生活科実施5年目に当り,県内65校の生活科指導計画の内容について調査・分析したものである。
 調査内容は,第1学年及び第2学年で設定されている単元の数や時数,第1学年における学習指導要領「生活」の内容と各単元の活動内容との関連である。
 調査の結果,次のことが分かった。
(1)地域や学校,児童の実態を生かし,学校独自の指導計画を作成している小学校では調査対象とした県内65校の約3分の1程度であり,残り約3分の1程度の小学校では教科書の影響を大きく受けている。
(2)学習指導要領「生活」の各学年の6内容と単元の活動内容との関連を分析した結果,一単元が一内容で構成されている単元と一単元が複数内容で構成されている単元等の特徴を見ることができる。
(3)学習指導要領「生活」の内容と単元の活動内容との関連が指導計画に明確にされていない小学校の場合,一部内容が欠落していると思われるものが少数見られた。

I 研究の趣旨

現行学習指導要領によって新教科生活科が誕生し,5年を過ぎようとしている。

文部省は昭和63年,生活科研究推進校連絡協議会で「生活科の活動参考例」を資料として提示,平成2年には指導資料「指導計画の作成と学習指導」を刊行した。平成3年,各学校ではこれらの資料や生活科研究推進校で作成された指導計画などを参考に,独自の生活科指導計画の作成に取りかかり,平成4年からのスタートに備えた。

その後,授業を実践する中で,児童の実態や地域の実態に合わせて,改善が加えられてきている。

実践5年を過ぎようとする現在,福島県内各小学校の指導計画がどのように計画・実践されているかを調査し,現状を把握することは,今後の指導計画改善を図る上で大変有意義であると考え,上記主題を設定した。

II 研究の内容・方法

生活科では具体的な活動や体験を重視し,子供の自発性,能動性を大切にしながら自立への基礎を養うことをねらいとしている。したがって,子供の発想や願いを大切にし,夢を持たせながら学習させるという「子供の立場」からの指導計画が求められている。さらに,子供の生活の場である学校や地域を生かした指導計画が強く求められている。新教科であるからこそ,指導計画の充実が望まれている。

本研究は,県内の小学校65校の平成7年度の生活科指導計画を単元構成の点から内容分析を進めることで,指導計画改善の方向性を明らかにしようとするものである。

(1)研究の内容

本研究では,次のような点について調査することにする。

1. 指導計画にどのような単元が設定されているか。

 ○ 第1・2学年に設定された単元とその時数

2. 第1学年の各単元が学習指導要領「生活」の6


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