平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -105/175page

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(6)教材研究に使用する専門書・雑誌

教師が「保健の授業」のための教材研究を行う際に参考にする書籍名をたずねたところ以下のようなものがあげられた。

1. 教職経験10年未満

  家庭医学書 家庭の医学 家庭医学辞典 系統

  看護学講座 話題源保健 体育科教育

  頭にやさしい雑学読本 トレーニングジャーナル ターザン 健康保健ダイジェスト

  Newton jepense 健康教育 安心 てんとう虫 保健体育教室 コーチングクリニック

2. 教職経験20年まで

  保健用語辞典 医学辞典 体育科教育 健康保健ダイジェスト

  驚異の小宇宙 地球環境自書

  人間環境白書 ヒューマンライフ エンサイクロペデア

3. 教職経験30年まで

  家庭の医学 国民衛生の動向 学校安全の手引き 脳の話

  救急安全読本 話題源保健 人体の機能と構造

  保健の授業作り入門 授業書方式による保健の授業

  家庭医学大辞典 事例資料集 ヒューマンライフ

  健康保健ダイジェスト 保健体育教室 アエラ からだの雑学辞典

  学研漫画シリーズ 驚異の小宇宙 体育科教育 スポーツと健康

  MOKU 切り抜き速報保健

4. 教職経験31年以上

  現代保健体育学体系 身体運動の科学 国民衛生の動向 家庭医学大辞典

  新保健情報資料集 スポーツ栄養学 保健安全の手引き

  青年心理学解剖学 性教育指導辞典 現代親学辞典 話題源保健

  体育の科学 高校教育展望 体育科教育 驚異の小宇宙

  からだの科学 文芸春秋

なお,以上に共通していることは,医学関係の専門書・事典など人体に関することを扱った書籍が多くみられたことである。

2 調査結果の考察

今回の教師・高校生・大学生に対する調査から「保健の授業」に関する生徒の意識は,好意的に受け止めているものと,否定的に受け止めているものとに,はぼ均等に二分化されていることが分かった。

また,好意的に捉える理由として「分からないことが分かる」などをあげており,知的探究心を満足させてくれる点を「保健の授業」の重要な評価点としている。生徒が知りたいと思うことや分からないことなど生徒の実態を教師が具体的に把握する必要があるだろう。

一方,「難しい」「楽しくない」という理由で否定的に捉えているものも少なくない。このことば,教師に対するアンケート「学習指導上の悩み」の回答としてあげられている「学習内容の多さ」「教科や教材の専門知識の必要制」の割合の高いことと一致する。

以上のことから,教師は生徒の知的要求の方向性と深度を把握すると同時に個々の生徒が発見した課題に対応する支援法を工夫する必要があると思われる。

「社会で役に立っ授業」が,教師の「理想とする授業」としてあげられている。しかし,生徒は「知識が豊富になること」を教師が 心がけていた と捉えており教師自身も「実際の授業」を「理想の授業とはかなり違う」と回答している。この数字が,現在の保健の授業の状況を的確に表しており,保健担当教師の切実な悩みであると思われる。

このことは,「社会で役に立つ」ことを「知恵」と置き換えるとすれば,教師は「社会で生きる知恵」を授けようとしていたが,実際に授業を受けた生徒は,「知恵の羅列」と捉えていたということであり,この食い違いはたいへん大きいと考える。

多くの教師は,「生徒が望んでいる授業」は「楽しい授業」であると回答している。大学生も半数が「楽しい授業」を教師に期待している。

しかし,高校生は「楽しい授業」とほぼ同じ割合で「社会に役立つ授業」をあげている。これは「楽しさ」の質をも問いただしているとも考えられる。

ここで,生徒の考える「楽しい授業」をアンケートから具体的に探ってみると,高校生は「グループ


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