平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -113/175page
当初は,この活動を続けていくうちに生徒の書く量は次第に増えると予想していたが,上の表やグラフの第3回の結果からもわかるように,設定するトピックや提示するキーセンテンスにより,書きやすさが変わるので単純に産出量の比較によって変容をとらえることはできないことがわかった。
しかし,1語も書けない生徒の数が減ったことやグラフで示した「生徒1」や「生徒4」のように着実に書く量を増やしている生徒もいることは評価できよう。
第4回の実践における産出量の著しい伸びは,この活動の持つ特質であり,ねらいでもあった「話題の転換」が容易であったためであると思われる。つまり,教師が今度の日曜にチャップリンの映画を観るというキーセンテンスを提示したところ,チャップリンに関して話を進めた生徒もいれば,自分は勉強なりショッピングをなりをするという風に発展させた生徒もいるということである。
2 生徒に対するアンケートから
RWに対する生徒へのアンケートの結果 注8 は以下の通りである。
自由記述による生徒の感想の抜粋を紹介したい。
・いろいろなことをトピックにあげてもらったが制限がなく自由に文が書けたので,やってて楽しかった。卒業する前にもう一回やりたい。
・中学3年になるとはとんど日常使う表現はできるようになったのでけっこう楽しくできた。作文は忘れた英文や単語を思い出すきっかけにもなるし,新しいものも覚えることができてお得だ。
・むずかしいときもあったけど,みんなでわからないところを教え合ってやったので楽しかった。
・今まで覚えたいろんな文型をが使えて楽しい。難しくなってくると少し気が向かなくなるがこれからもがんばりたい。
・最初は何を書いていいかわからなかったけど,後の方になってくると楽しくなってきた。もう少し書くスペースが欲しかった。
・自分で好きな文が書けるので外国人になった気分になれる。
具体的な理由は次のようなことであった。
・単語や文など以前よりも書けるようになったと思うから。
・わからないところは和英辞典などを使って調べながら書いたから。
・単語などが多く覚えられ,教科書などを見なくてもほとんどは書けるようになったから。
・忘れかけていた文法を思い出して書くので再度覚え直すことができたから。
・この活動をして自分がどれくらい書けるか試すことができた。最初の方にくらべると使う語句も増えたし,文法も正しくなってきた。
注8 平成9年1月実施