平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -144/175page

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きたい。

II 研究の進め方

1 研究の内容

本研究では,「教育相談の姿勢」を次のようにとらえた。

◎ 子どもの気持ちを理解しようとする姿勢
◎ 子どもの話をよく聴こうとする姿勢
◎ 教師自身が心を開こうとする姿勢

教師が授業の中でこうした姿勢に立ち,子ども一人ひとりの存在を意識してそれぞれの内面に目を向けながら具体的なかかわりをしていくことができるように,一人ひとりの『ネームプレート』を用いることにした。これを黒板へはることで子どもの自己表出や社会的承認の欲求を満たし,一人ひとりが授業の中で満足感や成就感を味わって自分に自信を持ち,「自分は集団に役立っている,仲間から大切にされているという実感」(『自己存在感』:全国教育研究所連盟編「新しい生徒指導の視座」P67ぎょうせい)を抱くことができるような授業づくりを模索したい。

『ネームプレート』

2 研究の方法

「研究の内容」に基づき授業の実践を行い,ネームプレートの活用が,教師や子ども一人ひとりの授業に対する意識に及ぼす影響をとらえ,「学ぼうとする力」を育んでいくうえでの効果を検討したいと考えた。

(1)実践授業の対象

 ○ 対象の生徒:中学校2年生38名(男子20名・女子18名)

 ○ 授業実践者:男子教諭(社会科担当・教務主任・30歳代)

 ○ 実践の教科:社会科(地理的分野から「日本の南西部」)

 ○ 実践の時数:単元総14時間

 ○ 実践の期間:11月25日〜12月15日

(2)ネームプレート活用上の留意点

 実践授業では,教師が次のような点に留意してネームプレートを用いたいと考えた。

 ○ 生徒一人ひとりのよさの発見に努める。
 ○ 1単位時間の授業の中によさを生かす場と機会を意図的に設ける。
 ○ 単元を通して,偏りなく一人ひとりのよさを生かす場と機会を設ける。

III 研究の実際

1単元を通したネームプレート活用の計画

各時間の学習内容と先に記した「ネームプレート活用上の留意点」を考慮して,単元14時間にわたるネームプレートの主な活用の計画を次のように立てた。

学習内容 主なネームプレートの活用 時間
日本の南西部を大きく眺めて ・県名や地域名のカードを拡大白地図にはるとき 1
日本の南西部の地形 ・山地名や河川名などのカードを拡大白地図にはるとき
日本の南西部の気候 ・新聞記事や雨温図など

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