平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -147/175page

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終末 3 本時の学習を振り返る。  ・まだNをはっていない生徒を指名して授業の感想を尋ねる。

 1. 間違わない配慮をして発言を促した場面

 最初に離島の位置を確認させるために,それぞれの地図帳で調べさせた。容易に見つける生徒ばかりでなくなかなか見つけられない生徒もかなりいた。そこで教師は,周囲の生徒同士で確認し合うように指示した。 必要に応じて教師もー緒に地図帳による離島中位置の確認作業を手伝い ,どの生徒も瀬戸内海や五島列島,南西諸島などの離島を見つけることができた。こうして確実に離島の位置をつかませたうえで,教師は地図帳で離島を調べることに苦労していた生徒を6名次々に指名した。それぞれ既に各離島の位置を確認していたので自信を持って教室の前に進み,大きな掛地図の中から教師が指定した離島を正確に指摘することができた。 教師は,前に出た一人ひとりに「よく見つけた」とそれぞれの活動を十分に認めてねぎらいの言葉をかけ,ネームプレートを黒板にはった。

1. 間違わない配慮をして発言を促した場面

 2. 安心感を与えて様々な発言を促した場面

 生徒にそれぞれの生活と比較して「離島に住む人々の暮らしのうらやましいと思うところは?困ると思うところは?」と尋ねたとき,一人ひとりの思いは似ていたり,同じだったりすることもあったが,基本的には皆違っていた。 それぞれの思いを「ああ,君はそうかあ」と教師が一つひとつを大切に受け止め認めることで,生徒一人ひとりが安心してそれぞれの思いを表すことができ,お互いの思いを「ううん,そうかあ」「なるほどなあ」「へえ,そうなの」と認め合う姿がみられた 。具体的には,うらやましいと思うこととして「自然が豊か・静か・のんびり」などが挙げられ,困ると思うこととして「交通が不便・高校がない・コンビニがない・嫁不足・真水不足」などが挙げられた。ネームプレートをはるのが間に合わないほど,たくさんの発言が相次いだ。

2. 安心感を与えて様々な発言を促した場面

3 単元を通したネームプレートの多様な活用

単元を通して,ネームプレートは生徒が発言したときのほか,次のようなときにも活用された。

・ 発言しないまでも発言内容と同様な考えを持っていたとき
・ 小声ながらも貴重なつぶやきなどをしたとき
・ 目立たないながらもよく活動し,指名によって十分に発言できたとき
・ 資料から気づいたことを発言したり,作業をした感想を述べたりしたとき
・ 他の生徒にはない,その生徒なりの独自性を発揮できたとき
・ 読むことや書くこと,作業することなどその生徒なりの得意な活動ができたとき

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