平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -148/175page

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IV 研究の考察

1 ネームプレートを用いた感想

(1)生徒の感想

 38名のうち36名から寄せられたネームプレートを用いた授業の満足度と16名の感想を整理した。

ネームプレート活用の満足度
ネームプレート活用の満足度

【ネームプレートを用いた授業の感想】
・自分が発表したという実感がもてた。(Y男)
・なんか発表した!って感じがする。だれが発表したのか分かるので良かった。(T男)
・このままネームプレートを使った授業でいいと思う。(D男)
・あまり意味がないような気がした。(I男)
・けっこうおもしろかった。(W男)
・ネームプレートを使っての授業は楽しかった。(H男)
・だれが発表したのか分かるので長かったと思う。(A子)
・だれがどれを発表したか分かった。(T子)
・けっこうおもしろかった。(C子)
・自分のネームプレートがのこらないようにした。(Y子)
・なんかはっぴょうした!って感じがする。(K子)
・自分の名前がはってあるとうれしい気分になる。(M子)
・なんかネームプレートを使うとおもしろい。(G子)
・名前が出るとうれしい。(E子)
・ネームプレートをまた使って授業を進めてほしい。(N子)
・だれかたくさん発表しているかやだれがなにをこたえたかがわかった。(R子)
 

ネームプレートを用いた授業の満足度は, 「とても」 が22名で全体の約6割, 「まあまあ」 の11名をを合わせると全体の9割強で,多くの生徒が満足したことが分かる。その内容は, 「発表したという実感がもてた 」(Y男)や「 ネームプレートを使っての授業は楽しかった 」(H男),「 けっこうおもしろかった 」(W男・C子),「… うれしい気分になる 」(M子・E子),「… おもしろい 」(G子)など個人的な満足であったり,「‥ だれが発表したのかが分かる …」(T男・A子)や「 だれがどれを発表したか分かった 」(T子),「 だれがたくさん発表しているかやだれがなにをこたえたかがわかった 」(R子)など仲間と共に学ぶことの満足であったりする。これらのことから,ネームプレートの活用は多くの生徒に授業の中で満足感や成就感を味わわせるうえで効果があったと考える。

ただし,「 あまり 」満足していない生徒が3名で全体の1割近くおり,「あまり意味がないような気がした」(I男)と感想に記している。3名の生徒のうち2名は,「あなたにとって満足できる授業とは?」という問に対して「楽しく覚えられればいい…」(S男・前出のI男)と記している。これは,「社会科は教科書の内容を覚え込む教科」ととらえ,自分なりに考えたり仲間の発言から理解を深めたりしようという学習意識が弱いためではないかと考える。こうした生徒には,仲間と共に学ぶことで得るものがあるという実感を抱かせるような数多くの学習体験が必要なのかもしれない。

(2)教師の感想

 実践後,授業者から次のような一文が寄せられた。

(前略)ネームプレートの活用は,学級の一員である自他の存在に改めて気づかせ,互いに認め合い,励まし合う,そうした雰囲気を醸成する上で大変効果的な手だてであると思われる。(中略)普段おとなしい生徒が指名によって発表の機会を得,プレートをはられて喜ぷ反省文もみられた。このネームプレートの活用は,教師の授業に臨む姿勢を問うよ

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