平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -153/175page
III 研究の実際と考察
1 研究の実際
(1) 研究協力員(代表A教諭)との事前協議
【平成8年7月9日】
1. 協議事項
ア 校内事例研究会実施のねらいについて
筆者から研究協力員代表のA教諭に,本研究のねらいについて説明した。
イ 校内事例研究会の方法について
第1回は筆者から事例を提供し,研究協力員に事例研究会を体験してもらい,併せて事例研究会の意義や留意点について協力員に説明することにした。第2回以降は,研究協力校から提供された事例について事例研究を行うことにした。
ウ 校内事例研究会の規模について
当初は教育相談部所属の教諭4名と筆者の5名で行い,経過をみて教育相談部以外の教諭にも参加を呼びかけることにした。
エ 校内事例研究会の時間について
1事例60分を原則とすることにした。
2. 研究協力校の実情
ア 教育相談部は本年度発足したばかりであり,まず,部員自身が教育相談について勉強し,それを土台にして教育相談を校内に広めていきたいと考えている。
イ 職員数が多いため(74名),全職員,学年単位での校内事例研究会の実施は,事例研究会の本来的な意義(参加者全員が意見を述べ合う),時間と場所の調整などから困難である。
(2) 校内事例研究会の実施
1. 第1回校内事例研究会
【平成8年7月19日】
◇事例:不登校 E高校 F子
〔事例提供〜筆者/司会〜A教諭〕
ア 事例提供者(筆者)から参加者に対して,事例について簡略な説明を行った。 〈10分〉 イ 参加者からの質問に対して,事例提供者(筆者)が応答した。 〈20分〉 ウ 今後の指導援助について,参加者全員で意見を出し合った。 〈20分〉 エ 今日の事例研究会について,自由に感想を述べ合った。 〈10分〉
《A教諭》 学級担任外という立場からの側面的な支援の在り方,クラス担任との連携上の留意事項などが参考になりました。 《B教諭》 F子が,無理して装っていた良い子の自分とそれを強いてきた家族に「No」と言えるようになってきたのは,前進といえると思います。 《C教諭》 単純に解決方法が求められる問題でないと感じました。同時に,自分自身の不登校生徒への指導援助について振り返る機会になりました。 《D教諭》 学校に行けない事実の裏側にある精神的な悩みに耳を傾けることが重要なのだと,再確認しました。ただ,生徒の心の声を聴くことの難しさも感じています。 《白土》 事例について,いろいろな視点から意見をいただき参考になりました。 オ 事例研究会の意義,留意点などについて,筆者が研究協力員に資料を基に説明した。
カ 事例書式について,筆者が研究協力員に資料を基に説明した。
2. 第2回校内事例研究会
【平成8年10月15日】
◇事例:不登校 ○年 G男