平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -156/175page
させ,気づきを支援していくという,今日の話し合いの方向性はすばらしいと思いました。 (3)事例研究会の在り方についての中間検討
より成果のある事例研究会の在り方について,第2回の事例研究会終了後に,研究協力員とともに中間検討を行った。
《白土》 教育相談部の活動拡張のためにも,他の先生方に,事例研究会への参加や事例提供を募ってみてはどうでしょうか。 《D教諭》 学級担任の中にも,生徒のことで悩んでいる先生は多いので,誘えるのではと思います。 《C教諭》 資料が今程度の簡易なものであれば引き受けやすいので,事例を提供してくれる先生も何人かいるんじゃないでしょうか。 《B教諭》 学年全体でまとまった時間の事例研究会をもつことはなかなか難しいので,この事例研究会で現在指導援助に困っている生徒について話し合えれば,参加してくれる先生にもプラスになるはずです。 《A教諭》 相談部から事例研究会への参加と事例提供を先生方に呼びかけてみます。ただ,時間の余裕と全員参加を考慮すると,時期は定期テスト中か,長期休業中になるかもしれません。 検討の結果,第3回以降の事例研究会は,以下の方針で実施していくことを確認した。
1. 教育相談部以外の教諭の参加を募る。
2. 事例提供は,相談部以外の教諭に依頼する。
3. 事例は,現在指導援助に困難を感じている生徒のものとする。
4. 資料は,事例提供者の負担にならない程度のもの(A4版1枚程度)とする。
5. 時期は,時間に余裕が持て,事例提供者,参加希望者が全員参加できる日時を設定する。
2 実践についての考察
校内事例研究会の実施が学校教育相談システムの活性化にどのように結びつくかについて,第3回及び第4回の校内事例研究会終了後に,研究の内容と方法に示した5つの観点に基づき,研究協力員とともに考察を行った。
(1)事例研究会の実施により,教育相談部(係)がより一層機能するようになったか。
《A教諭》 教育相談部は,部員自身が勉強中ということで,こんな活動をしていますという事柄はまだ少ないのですが,事例研究会の実施を通して,部員が教育相談に関する自己研修を深めるとともに,少しずつ他の先生方に働きかける足がかりをもち始めていると感じています。 《白土》 教育相談部として,生徒の指導援助に苦慮している先生方に対し,事例研究会という形で,みんなで話し合い知恵を出し合う場を提供できているということですね。 《A教諭》 ええ。実際に事例研究会に参加してよかったという感想をいただいています。また,何人かの先生から,事例研究会に参加してみたいという希望を聞いています。事例研究会を通し,今年発足した教育相談部が,その存在を認められるようになってきたともいえるようです。 (略) 《B教諭》 問題を抱えている生徒に対する指導援助は,