平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -162/175page
を実施することになった。
(2)校内研修会の講師依頼のあった学校
○ 福島県立B商業高等学校
○ 福島県立C高等学校
○ 福島県立D農業高等学校
(3)研究の対象となった本教育センター研修講座
○ 教職5年経験の高等学校経験者研修I講座(以下「研修I講座」という)・149名
○ 教職10年経験の高等学校経験者研修U講座(以下「研修II講座」という)・105名
○ 学校カウンセラー上級講座(以下「上級講座」という)・5名及び協力者5名
2.研究の内容
本研究は,次の内容で行った。
(1)生徒指導・教育相談の校内研修会の在り方に関するアンケート調査
1. ねらい 生徒指導・教育相談の校内研修会の在り方を探る
2. 対 象 研究協力校及び研修I講座
3. 調査項目
○ 校内研修会実施の有無と実施していない場合の理由
<以下,現に校内研修会が実施されていなくても,実施する場合を考えて回答してもらうための設問>
○ 年間の実施回数
○ 参加対象者
○ 研修会のテーマ
○ 研修方法
なお,研究協力校以外のアンケート調査の対象を研修I講座受講者としたのは,クラス担任等の校務を一通り経験し,学校の中で最も生徒指導・教育相談の力量を高める必要性を感じていると考えたからである。
(2)研究協力校及び講師依頼のあろた学校における校内研修会
研究協力校及び講師依頼のあった学校において,以下の手順で校内研修会を実施した。
○ 研修テーマの選定と研修方法の検討
○ 研修会の実施
○ 研修会の評価
研究協力校における校内研修会は,年間の現職教育研修計画の一部に位置づけて,4回実施した。講師依頼のあった学校における校内研修会は,各1回実施した。
また,研究協力校における初回と講師依頼のあった3校の研修テーマ及び方法は,同じとした。生徒指導・教育相談の力量を高めるのに,どの学校にも効果の大きい研修テーマ及び方法を探るためである。
(3)生徒への指導援助に関するチェックリスト(試案)の開発と試行
教育相談の予防的・開発的な機能から,先行研究を基に,教師自ら,日々の教育相談活動を見直すことを目的に,生徒への指導援助の自己チェックリストを開発し,試行した。
生徒への指導援助に関するチェックリストは,治療的・予防的・開発的の3つの側面から構成し,研修II講座受講者を試行の対象とした。本講座受講者は,学校の教育活動の中核を担い,治療的・予防的・開発的の3つの指導援助の力量が最も必要とされると考えたからである。
(4)相談的教師のチェックリスト(試案)の開発と試行
今,求められている新しい学力観では,これまでの知識を教え込む指導観から,生徒の成長を温かく見守り,育てる指導観への転換が求められている。
相談的教師とは,新しい学力観以前から,育てる指導観を実践してきた望ましい教師の一つの姿である。今,新しい学力観を具現化する教師像は,相談的教師そのものであり,教育相談のもつ予防的・開発的な機能から,相談的教師のチェックリストを開発した。
本チェックリストは,上級講座受講者及び協力者の教師に対し,これらの担当クラスの生徒が行った。
IV 研究の実践
1.生徒指導・教育相談の校内研修会の在り方に関するアンケート調査
(1)アンケート調査の結果