平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -168/175page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

は,『対象生徒の実態把握と理解』,『他生徒指導の参考』,『共通理解と連携』のいずれの項目でも,たいへん有効であることが明らかとなった。

『対象生徒の実態把握と理解』では,回を重ねるごとに,「たいへん深まった」の人数が増加し,事例研究会形式の研修成果と考えられる。

『他生徒指導の参考』と『共通理解と連携』でも,「たいへん」と「まあまあ」を合わせた人数が多く,研修成果は大きいと考えられる。

以上を踏まえ,この評価結果と前掲の実施の反省から,第2回〜第4回の事例研究会は,次のようにまとめることができる。

 ○ 第2回は,『試みる』段階

 ○ 第3回は,『指導の手がかりをつかむ』段階

 ○ 第4回は,『校内の指導分担と指導の見通しを持つ』段階

研究協力校では,以上の段階を追って,校内組織として,事例に対応する態勢が出来上がり,合わせて教員一人ひとりの力量も高まったといえる。

このように,教員一人ひとりの力量は,単独で存在するのではなく,校内組織との関係において,高められ,発揮されていくものである。

その意味で,研究協力校は,総勢10名でまとまりがよく,全職員の生徒指導・教育相談への研修意欲が高く,かつ計画的に研修会を実施できたことが重要であり,この成果となってあらわれたと考えられる。

3.生徒への指導援助に関するチェックリスト(試案)の開発と試行

(1)チェックリスト(試案)

 チェックリストの概要は【図16】の通りである。 4)5)6)

【図16】 生徒への指導援助に関するチェックリスト
【図16】 生徒への指導援助に関するチェックリスト

(2)試行の結果(次ページ[表2])

 チェックリストは, 治療的・予防的・開発的の3つの各12項目について,指導援助の程度を「はい」,「どちらともいえない」,「いいえ」の3段階で質問した。[表2]の人数(%)は,「どちらともいえない」,「いいえ」の合計の値である。

また,治療的援助と予防的援助の各項目は,共通しており,先行研究を踏襲している。「どちらともいえない」,「いいえ」の


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。