平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -169/175page
[表2]生徒への指導援助に関するチェックリストの結果 No. 治療的援助 予防的援助 開発的援助 項 目 人数 項 目 人数 項 目 人数 (%) (%) (%) 1 指導者の姿勢 42 指導者の姿勢 23 健 康 14 40.0 21.9 13.3 2 生徒理解 35 生徒理解 36 安 全 11 33.3 34.3 10.5 3 早期発見 48 早期発見 31 所属感 35 45.7 29.5 33.3 4 ラボール形成 51 ラボール形成 50 愛 情 41 48.6 47.6 39.0 5 問題把握 1)87 問題把握 2)85 自 律 14 82.9 81.0 13.3 6 指導態勢 37 指導態勢 43 自己理解 2)63 35.2 41.0 60.0 7 専門機関連携 3)68 専門機関連携 1)92 自 尊 34 64.7 87.6 32.4 8 本人援助 42 本人援助 62 自主性 3)54 40.0 59.0 51.4 9 家庭援助 44 家庭援助 65 他者尊重 20 41.9 61.9 19.0 10 学級援助 40 学級援助 33 将 来 20 38.1 31.4 19.0 11 振り返り 2)69 振り返り 3)70 生徒理解 1)71 65.7 66.7 67.6 12 援助終了 30 援助終了 35 家庭連携 45 28.6 33.3 42.9 合計値が治療的援助では 1.『問題の把握』82.9%,2.『指導の振り返り』65.7%,3.『専門機関との連携』64.7%の順で高い結果となっている。
予防的援助では,1.『専門機関との連携』87.6%,2.『問題の把握』81.0%,3.『指導の振り返り』66.7%の順で高く治療的援助と順位は異なるものの,まったく同じ項目である。
開発的援助では,1.『生徒理解』67.6%,2.『自己理解』60.0%,3.『自主性』51.4%の順で高くなっている。
(3)考察
チェックリスト試行の結果から,治療的と予防的指導援助では,『問題の把握』,『指導の振り返り』,『専門機関との連携』の3点が,特に不足していることが明らかとなった。
また,開発的援助では,『生徒理解』,『自己理解』,『自主性』の3点が不足していることが明らかとなった。
各指導援助で値の高いこれらの項目は,特に,教師が生徒指導・教育相談を進めていく上での見直し項目であり,チェックリストの実施は,具体的な対応の力量を高めていくきっかけとして,極めて効果が大きいと考えられる。
4.相談的教師のチェックリスト(試案)の開発と試行
(1)チェックリスト(試案)の開発
チェックリストの概要は,【図17】の通りである。 7)
(2)試行の結果
チェックリストは,受容,共感,自己一致の3つの項目各4問,計12設問について,「5.いつも(とても)」,「4.時々(だいたい)」,「3.どちらとも」,「2.あまり」,「1.ぜんぜん」の5段階で質問した。
【図18】は,横軸を教師の自己評価の平均,縦軸を教師の自己評価の平均と生徒の平均との差とし,対象教師の値を図上にプロットしたものであ