研究紀要第109号 「「生きる力」としての「学力」を育てる学校教育の創造」 -007/166page

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体カ」を育む場合の「生きようとするカ」「活かすカ」「共に生きるカ」と同じことであると考える。

つまり,「生きるカ」としての「学カ」を育てる場合,子ども―人―人の「やる気」や「自分で考えること」, 「他と共にということ」が大事だというであり,学校の全教育活動を通して育成すべき「生きるカ」としての「学カ」,すなわち「生きる目標(生きようとするカ)」,「自己を改革するカ(活かすカ)」,そして, 「自己実現するカ(共に生きるカ)」にもあてはまるものであると考えることができる。

これらをまとめると次のようになる。

生きる力

「生きるカ」並びに「『生きるカ』としての『学カ』」を,私たちは以上のように捉え,サプ・テーマとして掲げた「小・中・高における授業の改造」へ向けての方策について考察する。

2 授業の改造

サブ・テーマの「小・中・高における授業の改造」は,学校の教育内容・活動の中心である授業の改造によって,「生きるカ」としての「学カ」を育てるための提言をしようとするものである。

「生きるカ」は,授業という限られた教育内容や方法によって育まれるものではないが,この研究では,特に,「生きるカ」を育むための「授業」の在り方を探り,その提案を切り口にして「『生きるカ』としての『学力』を育てる学校教育の創造」という研究課題に迫ろうとするものである。

この研究では,授業の改造を次の4つの視点から明らかにしようとしている。

教師の改革 教材の改革 学級の改造 授業の改造

(1)教師の改造

授業の改造を具現しようとするとき,まず,その改造の直接の担い手である,教師の意識や資質,能カ等を考えなければならない。

研究課題の 「『生きるカ』としての『学カ』を育てる学校教育の創造」を目指した「授業の改造」は教師の意識改革なしには推進することができない。

特に,「『生きるカ』としての『問題解決カ』」など,社会の変化に的確かつ迅速に対応できるような能方を育てるための学校像や教師像に関する意識の改革は重要である。また,これまでの授業に厳しい反省を加え,授業を改造していくためには,実際に授業を行う教師―人―人の,教員としての資質や指導方を充実させなければならないという基本的な課題がある。そのために,教員研修は今後―層重視されなければならない。研修意欲の活性化や校内研修の内容の充実,あるいは研修時間の確保の問題など,教員研修に関する課題は多い。これら,教員研修に関する課題の究明は,そのまま教員の意識改革や資質・指導カの向上につながり,学校の活性化を促進することになると考える。

つまり,授業の改造は,こうした教師の意識改革や資質・能カの向上を目指した教員研修の改造に支えられて,はじめて実現できるものである。


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