研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -061/166page

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(2)児童のかいた概念地図

図2 は,単元全体の学習終了後に児童がかいた概念地図のlつである。児童は,溶媒(水)と溶質(食塩,ホウ酸)との関係を溶媒の温度との結び付きでとらえている。それぞれの用語の関係付けができていると考えることができる。

図2 児童が書いた概念地図

図2 児童のかいた概念地図

(3)児童のかいたイメージ図

図3は,単元の 学習前に,ある児童がかいた食塩水のイメージ図である。学習の前では,水溶液全体をラインマーカーで色をぬったり,図のように斜線を引いたりしたイメージ図をかく児童が多かった。

図3 児童が書いた食塩水のイメージ図(事前)
図3 児童が書いた食塩水のイメージ図(事前)

学習後は,食塩水のイメージを図で表せるように記号を与えたことにより,かなりの児童が図4のようなイメージ図をかけるようになった。食塩の粒を水の粒で包んだり,水の粒の上に重ねていることから,食塩の粒と水の粒を関連付けて食塩水を考えるようになってきたのがわかる。

図4 児童が書いたイメージ図(事後)
図4 児童が書いたイメージ図(事後)

(4)素朴概念の異なるダループ編成による話し合い 活動に対する児童の評価

素朴概念の異なる児童同士のグループ編成による話し合い活動が,・授業に対する児童の意欲の喚起や思考活動の活発化に効果があったかを調べるため次のような調査(調査の)を行った。各項目に示した数値は,5段階評価で5,4,3を選んだ児童の全児童に対する割合である。

どの項目も,ほぼ8割と高い値である。つまり,関心・意欲を高め,思考活動を活発にするうえでこのようなグループ編成による話し合い活動は,効果があったといえる。

調査4) 素朴概念の異なるグループ編成による話し合い活動に対する児童の評価

4:とてもよくあてはまる 4:あてはまる
3:少しあてはまる  2:あまりあてはまらない
1:まったくあてはまらない

考えの違う友達とグループをつくり,話し合いをしたことで

1 「なぜ,どうして」と思うことがあった。 85% 3 自分から進んで調べた。 85%
4 課題を解決する方法を自分なりにすじ道を立てて考えた。 85%
5 結果を、予想や体験、今までの学習内容と 関連付けて考えた。
6 深く考えるようになった。


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