研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -075/166page
実践5
高等学校 理科(地学IB) 1 対象・単元・期間
○対象 2年 男子21名 女子17名 計38名○単元 円ヒ百からたどる地球の歴史」
○期間 平成9年10月〜平成10年1月2 思考活動を活発にする具体的方策の実践
この単元は,先力ンブリア時代から和生代までの生命の進化の過程を中心としたた時の歴史について学ぶことが目的であるが,学習内容の性格上,教師が―方的に説明していく知識伝達型の授業となり,生徒にとっては暗記中心の学習になりがちである。
また,「関心・意欲の程度」と「思考活動の程度」についての事前調査(調査2,3)の結果(図1)によると,関心・意欲や思考活動の程度はあまり高くは無いが,両者の間には強い相関(相関係数0.70)があることが分かった。
さらに,「支援要求傾向」の事前調査(調査1)から,思考活動の程度の字自己評価が低い生徒ほど,教師の支援に対する期待が大きい傾向があることも分かった(相関係数ー0.62)。
そこで,生徒の情意面を活性化し,生徒の期待に応えながら,思考活動の活発化を図るために,製作活動や作業活動を取り入れた授業をT・T方式で行った
(1)製作活動
地球の歴史の学習の導入段階で,石膏を用いた化石の製作活動を行った。この製作活動をとおして,地球の歴史の学習に対する興味,関心を高めるとともに,思考活動を促し地層の生成過程の中で化石ができることを理解させるようにした。
1)化石のレプリカの製作
油粘土を化石に押しつけて型を取り,そこに石膏を流し込んで固め,最後に着色するという手順で,生徒―人―人が製作した。
2)化石のでき方のモデル教材の製作
地層ができるときに,生物が埋もれたり,生物がいたあとを残したものが化石である。そこで,地層の生成過程の中で化石のでき方が理解できる簡単なモデル教材の製作をのと同様に,生徒―人―人が行った
まず,1リットルの牛乳パックの底に石膏を流し込み,石膏が固まりかけたら,植物の葉などの「化石」にしたいものをその上に載せる,さらに,その上に石膏を流し込む。しばらくして石膏が固まったら,割って,「化石」の面を出す。