研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -077/166page
3 結果と考察
(1)関心,思考活動との関係
図8は,思考活動を活発にする具体的方策を実施する前後での「関心・意欲の程度」(調査2)の変容と,「思考活動の程度」(調査3)の変容の関係を表したものである。
ほとんどの生徒は,関心・意欲が高まり,思考活動が活発になっている。このことから,実践した方策が有効であったことがわかる。また,「関心・意欲の程度」の変容と,「思考活動の程度」の変容の間には,かなりの相関(相関係数0.50)がみられた。このことから,情意面を活性化することが,思考活動の活発化に結びついたと考えられる。
(2)思考活動と事後テスト成績との関係
図9は,事後の「思考活動の程度」と,事後テスト(調査5)成績との関係を表したものである。
事後の「思考活動の程度」と事後テスト成績との間には,特に相関は見られなかった。(相関係数ー0.06)。こらは,思考活動の程度の自己評価の結果に関わらず,
テストの平均点が66.3点と高く,全休的に成積がよかったためである。
また,思考活動の程度の自己評価は高いが,テスト成績が低い生徒や,思考活動の程度の自己評価が低い生徒については,個別に,それぞれに応じた方策を考える必要がある。
(3)思考活動を活発にする方策に対する生徒の評価 思考活動を活発にする具体的方策について,生徒がどのような感想をもっているかを,次に示す調査用紙(調査4)を使って調べた。
調査4)「思考活動を活発にする具体的方策 に対する生徒の自己評価」
次ぎの項目について,それぞれあてはまる番号を1つ○で囲んでください。また,「化石からたどる地球の歴史」の授業についての感想を書いてください。
5:大変よくあてはまる 4:よくあてはまる
3 :少しあてはまる 2:あまりあてはまらない
1:まったくあてはまらないl 化石のレプリカ製作を行ったことで
1)地球の歴史や生命の進化について.興味を持つよ うになった。
2)以前より.意欲的に授業に参加するようになった。
3)地球の歴史を考える上で.参考になった。2 化石のでき方のモデル製作を行ったことで
1)地球の歴史や生命の進化について,興味を持つよ うになった。
2)以前より,意欲的に授業に参加するようになった。
3)地球の歴史を考える上で,参考になった
3 古生代(中生代・新生代)ワールドづくりを行って
1)地球の歴史や生命の進化について,興味を持つよ うになった。
2)以前より,意欲的に授業に参加するようになった。
3)地球の歴史を考える上で,参考になった。4 授業の進め方について
1)作業活動の際の2人の先生による指導は, 学習内容を理解したり考えたりする上で役に立った。
2)個人やグループごとの学習は. 学習内容を理解したり考えたりする上で役に立った。 3)授業中に,考える時間を十分にとることは, 学習内容を理解したり考えたりする上で役に立った。5 「化石からたどる地球の歴史」の授業について.感想を書いてください。