研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -082/166page
(2)学習プリントの活用の効果
表2は,事後に,「学習プリントの活用に対する生徒の評価」(調査4)を4段階で調べ,段階4と3を選んだ生徒の割合を示したものである。
表2 調査の「学習プリントの活用に対する生徒の 評価」
次の項目について,あなたの気持ちにもっともあてはまる段階をそれぞれ選んでください。
4:とてもよくあてはまる 3:あてはまる
2:あまりあてはまらない
1:まったくあてはまらない1 自分のペースで学習を進めやすい。 82%
2 学習の流れを把握しやすい。
3 安心して学習を進めることがで きた。
4 学習プリントの中に,自分がど れくらい考えたかを知る問いがあ ると,自分がどれくらい考えたか を知ることができる。 82%
5 学習を進めるとき,自分がどれ くらい考えているのかを知ること は,学習を進めるうえで役に立っ た。 92%
6 深く考えるようになった。 89%
7 蛍光灯のしくみやはたらきを理 解しやすい。 89%
8 学習プリントを使って予想を立 てる方法は,蛍光灯のしくみやは たらきを理解するうえで役に立っ た。 89%この結果から,80%以上の生徒が,学習プリントの活用に対して,高く評価していることがわかった。
図4は,学習プリントの活用に対する生徒の評価の全項目の平均と思考活動の程度との関係を示したものである。
学習プリントの活用に対する生徒の評価と思考活動との相関図
学習プリントの活用と思考活動の程度の間には,かなりの相関 (相関係数0.43)がみられた。
このことから,思考活動の段階にそって思考できるように工夫した学習プリントの活用は,思考活動を活発にすることがわかった。
(3)蛍光灯回路展開板を活用したプリント学習に対する効果
表3は,関心・意欲の程度,思考活動の程度,事後テスト成績,それぞれと,蛍光灯回路展開板の活用と学習プリントの活用上いう2つの具体的方策との間の重相関係数を示したものである。
重相関係数は,ある1つの変数に対し別の2つ以上の変数との相関を見る場合に,算出し,相関の有無は,相関係数と同じく判断できる。
蛍光灯回
路展開板
相関関係学 習
プリント
相関関係蛍光灯回路展開
板を活用した
プリント学習の
重相関係数感心・意欲 0.45 0.29 0.57 思考活動 0.56 0.41 0.65 テスト成績 0.41 0.32 0.45 関心・意欲の程度,思考活動の程度,事後テスト成績に対する2つの具体的方策の,それぞれの相関係数により,2つの具体的方策を総合した重相関係数が,高いことがわかった。