研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -084/166page
(7)生徒の思想(成績群別)
2)生徒のデータを見た感想
成績群は,本実践を行う前の技術・家庭の期末テス ト成績から各群25%を抽出した。
蛍光灯回路展開板の活用に対する感想
・実際に部品を使って学習するから,興味をもってできるし,わかりやすい。 (上位群)
・思ったこと,やりたいことが,その場でできて,とても満足感があった。 (中位群)
・実験を文えて学習を進めるとわかりやすい。そのおかげで,疑間点なども出てきて,それを解決するのも,とても楽しかった。 (下位群)蛍光灯回路展開板は,成績群にかかわらず,有効に活用されていることがわかった。
2)学習プリントの活用に対する感想
予想を立てるのは,とてもよかった。自分の考 えがはずれたとしても,正い答えが後できちん とわかるし人まかせにしないで,自分で考えら れる。 (上位群)
・自分が考える所がたくさんあるし,言葉で書く ことは良いと思う。 (中位群)
・―香良いのは,今自分がどれくらいわかってい るのかわかるし,理解も深まると思う。(下位群)
・きちんと予想などが考えられ,終わった後もき ちんと結果も書けるし いいと思う。 (下位群)
・学習プリントは,成績群にかかわらず,有効に活用されていることがわかった。(8)授業者の感想
1)授業を行った感想
ア 蛍光灯回路展開板を使用して
・―つ―つの部品を生徒が自分で並べて回路を組 んでいくことで,蛍光灯の回路への理解が深まっ ていったように思う。また,多様な回路の実験も わかりやすくでき,生徒が主体的に課題を解決す るために有効であったと思う。イ 学習プリントを使用して
・「疑問→本時のねらい→予想→実験→考察→次時はの動機付け」の手順がわかりやすく提示されていたので,生徒も課題解決の見通しを持つことができた。
2)生徒のダータを見た感想
ア 思考活動についての自己評価
・学的事象には興味・関心が高いが,物事にじっくりと取り組み,深く考えることは苦手な生徒が多い。しかし,適切な教材と思考活動を活発にするような指導,支援を行えば,考えようとする態度が育てられることが実感できた。
イ 方策に対する自己評価
・「蛍光灯展開板」ついて
生徒の持っている興味・関心が,展開阪を使用することによって課題解決へと結びついていることが裏付げられた。「自分が考えた回路を配線しやすい」の項目は,高い自己評価となっている。これは,展開板が下 位生徒でもある程度試行錯誤しながら取り組むこ とができたためと考えられる。
・「学習プリント」について
順序立てて考えるように工夫されたプリントに より,自分の考えを整理しながら課題に取り組ん だためと考えられる。5 まとめ
(1)蛍光灯回路展開板の活用は,部品を自由に操作 し,自分が考えた回路を配線し現象をすぐに確認 することができるので,思考活動を活発にするう えで効果があった。また,技能を高めるのに役立 った。
(2)学習プリントの活用は,思考の段階にそって学 習できるように工夫したので,思考活動を活発に するうえで効果があった。
(3)蛍光灯回路展開板を使いながら学習プリントを 活用した学習は,思考活動を活発にし,知識・理 解,技能の獲得に有効であった。