研究紀要第114号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第1年次」 -115/166page

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○小学校8年生(以下「8年生」と表す)・・・7学級,212名

○小学校5年生(以下「5年生」と表す)・・・7学級,202名

○中学校2年生(以下「2年生」と表す)・・・7学級,215名

2)調査対象校の選定

地区や学校規摸等を勘案して県内全域から選定した。

2 調査結果の分析と考察

(1)各学年と全体

アンケート結果の素集計のグラフから,児童生徒の人間関係をつくるカの実態をとらえ,分折・考察を行った。

<小学校3年生>

(資料3)から,「あてはまる」と答えた割合が高かった項目は,4)「みんなと一緒に活動した

(資料3)アンケートの集計結果(小学校3年生)
(資料3)アンケートの集計結果(小学校3年生)

い」,10)「みんなとの人間関係に満足している」,

11)「自分自身をよくしたい」である。また,「ややあてはまる」まで含めて割合が高かった項目は,上記の3項目の他に,5)「みんなのことを大切にしたい」である。

―方,「あてはまらない」と答えた割合が比較的高かった項目は,1)「周りの人たちから大切にされてきた」,7) 「自分の気持ちや考えを話す」,12)「安心して生活している」である。

この学年の児童は,学級のみんはとの人間関係に満足しており,一緒に活動したいという思いを持っている者が多い。

また,思いを伝える技能の面では,自分の気持ちや考えを伝えることが十分にはできはい児童が少なくない。この中には,どのようにして思いを伝えたらいいかわからない児童や,わかってはいるが嫌われたくない,仲間はずれにされたくないなどの不安から,思いを伝える技能を発揮できない児童もいるのではないかと考えられる。

<小学校5年生>

(資料4)から,「あてはまる」と答えた割合 が高かった項目は,4)みんなと―緒に活動したい」,10)「みんなとの人間関係に満足している」,11)「自分自身をよくしたい」である。また,「ややあてはまる」まで含めて割合が高かった項目は,上記の3項目の他に,5)「みんなのことを大切にしたい」で3年生と同じ結果である。

―方,「あてはまらない」と答えた割合が比較的高かった項目は,1)「周りの人たちから大切にされてきた」,3)「みんなのことを知りたい」であり,「ややあてはまらない」まで含めて割合が高かった項目は,7)「自分の気持ちや考えを話す」である。

さたに,1),6)「みんなの気持ちや考えを聞く」,7),8)「みんなの立場や気持ちを考えてせっする」の項目で「あてはまる」と答えた児童の割合が低かったのもこの学年の特徴である。

この学年の児童は,級友にかかわりたいという思いはあるものの,あいてへの思いやりの気持ちから,また,かかわりの結果への不安から,感じたことを


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