研究紀要第114号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第1年次」 -116/166page
そのまま伝えることができなる実態がうかがえる。
<中学校2年生>
(資料5)から,「あてはまる」と答えた割合 が50%を越えた項目は,11)「自分自身をよくしたい」だけであり,「ややあてはまる」まで含めて割合が高かった項目は,11)の他に4)「みんなと一緒に活動したい」,5)「みんなのことを大切にしたい」であり,3年生,5年生とほぼ同じ傾向を示している。
―方,「あてはまらない」と答えた割合が比較的高かった項目は,1)「周りの人たちから大切にされてきた」,7)「自分の気持ちや考えを話す」であり,7)については「ややあてはまらない」まで含めると48.3%になっている。また,3)「みんなのことを知りたい」,6)「みんなの気持ちや考えを聞く」,9)「自分らしさを出して生活する」,10)「みんなとの人間関係に満足している」も「あてはまらない」と答えた割合が,「あてはまる」と答えた生徒の割合が低かったのは,1),6),7),8)「みんなの立場や気持ちを考えて接する」の項目であり,5年生と同じ傾向である。
この学年の生徒は,級友にかかわろうという思いはあるが,相手を意識し,相手からの反応を気にするあまり,特定の親しい級友とは比較的気軽に話せるものの,級友全体に対しては本音で話ができずに,表面上の関係で満足し,級友にふっ買うかかわろうとしていない様子がうかがえる。
これは,級友と深く関わることの楽しさを実感する経験が少ないことや,自己肯定間が十分にもてていないためと考えられる。