研究紀要第114号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第1年次」 -118/166page
[人間関係の満足度](10)
10)「みんなとの人間関係に満足している」では, 「あてはまる」と答えた児童生徒の割合が,3年生・5年生と2年生でかなりの差が見られる。
このことから,2年生においては,級友全体との人間関係をつくることが難しくなっている様子がうかがえる。
[向上心](11)
11)「自分自身をよくしたい」では,どの学年で も同じ傾向がみられ,多くの児重生徒が向上心を持っていることがわかる。
(2)各項目間の関連
人間関係をつくる力を育成するための指導援助の在り方を探るために,安心感や自己肯定感,思い・技能について,項目間の関連を調べることにした。
(安心感と自己肯定感)
(資料7)は,調査項目12) (安心感)の選択肢ごとに,2) (自己肯定感)の回答の割合をグラフに表
したものである。
12)で肯定的に回答した児童生徒ほど,自己肯定感を持っている割合が高いことがわかる。このことから,自己肯定感を高めるためには,学級内で安心感が持てるような指導援助が欠かせないことがわかる。
全体としては,自己肯定感を肯定的に答えている児童生徒が多いものの,その半数以上は「ややあてはまる」と答えていることから,このような児童生徒の存在を考慮した指導援助が必要である。
また,学年が進むにつれて,「あてはまる」と答えた割合が減少し「ややあてはまる」と答えている児童生徒の割合が増えていることから,発達段階に応じた指導援助を工夫していかなければならない。
(自己肯定感と思い・技能)
自己肯定感が高まれば,他者にかかわろうとす る恩いが強まり,技能が十分に発揮されるものと考えられることから,アンケートの結果を基に自己肯定感と思い・技能の関連を分析した。
(資料8)は,調査項目2) (自己肯定感)の選択肢ごとに,3)「みんなのことを知りたい」の回答の割合をグラフに表したものである。この結果から,自己肯定感が高い児童生徒ほど,「みんなのことを