研究紀要第117号 「学力向上のための授業改善に関する調査・実践研修 第3年次」 -039/117page

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中学校3年英語

1 研究の視点

平成9年度に実施した学力到達度調査において,本県の中学2年生は,「話すこと」の大領域が全国平均に比べ特に低いことが分かった。そこで,以下の視点から考慮された「話すこと」の活動(Mini−Speech 活動)を行うことにより,「話す力」を高めることができると考えた。

(1) コミュニケーションが図れた喜びを味わい,自分の取り組みを振り返りながら繰り返し活動に取り組ませることによって積極性を養う。

(2) 実際にコミュニケーションを目指した活動を繰り返し行い,学習事項の定着度を高める。

(3) 自分の話す内容を明確にし,それをどのように話すかを考えさせる場を設定する。

(4) 「話すこと」のストラテジーを身に付ける工夫をする。

2 実践研究

(1) 授業の実際

1. 準傭(1時間目)

はじめに,自分のトピックを決めさせ,トピックについて2つの質問にプラスワンで答えさせた。そして,マッピングによってトピックに対するスピーチのアイディアを考え,それをもとにスピーチをまとめた後,スピーチの練習をさせた。その際,マッブの英語を読むのではなく,相手を想定して話すことに注意させ,マッブを見ても話すときは顔を上げるようにさせた。

この活動は,授業のはじめの部分約15分間で行った。教師は生徒の活動状況を見て,適宜アドパイスをしたり,質問に答えたりした。その際,指導のポイントとして,自分が使える英語でスピーチを考えることを特に注意した。時間が足りない場合は,家庭学習とした。練習に当たっては,内容(自分の言いたいこと,話の流れなど),音声(単語の発音・アクセント,文の区切り・強勢,スピード・リズムなど),その他(アイコンタクト,ジェスチャー)に注意させた。【資料1】

【資料1】 原文のまま
【資料1】  原文のまま

2. スピーチ1(2時間目)

2人組になり,お互いにあいさつをしてスピーチを開始。マップを見ながら,あるいは,見ないで,自分のスピーチをさせた。スピーチ終了後,聞き手に必ず質問をさせ,Q&Aを行った。答える時は,プラスワンで答えさせた。役割を交代して,同じように活動させた。あらかじめ,【資料2】のような表現集を渡しておき,スピーチやQ&Aの際のコミュニケーションを促す表現として活用させた。最初のペアでの活動時間は約5,6分で,ペアを交代して同じように活動させた。2組目の活動が終わった後,【資料3】を用いて自己評価させた。その際,次時のスピーチのために,教師が練習のポイントをモデルとして具体的に例示し,自分の改善点を意識させ,家庭での練習の参考にさせた。

【資料2】
会話をスムーズにする表現
・え?何と言ったんですか?
*Pardon?( )I beg your pardon?
・もっとゆっくり話して(ください)。
*(Please)speak more slowly.
・ええと,そうですね。 *Well 〜 /Let me see.
・そのとおり! *That's right./That's true.


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