研究紀要第120号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第2年次」 -100/117page
その後,解答カードでそれぞれのカードに記された人が誰だったかを確認し合った。子どもたちは,そのカードの答え(名前)に集中し,イメージした友達と一致したことに喜ぶ様子が見られた。また,「よいところイメージカード」に書かれた文章の中で,特にその人らしさの表れた文に印をつけて本人に渡す活動を取り入れた結果,自分が友達にどう見られているか,自分にはどんなよさがあるかを認識でき,喜びや満足の表情が数多く見られた。
3. 自他のよさの感じ取りや肯定的な評価に対する喜びや満足を明確化,共有化するシェアリング初めに,振り返りカード(資料11)に書く活動を通して,「私は誰でしょうゲーム」の中での喜びや満足の感情が明確化されるようにした。次に,全体の場での発表を通して,その感情の共有化が図られるようにした。振り返りカードには次のような記述が見られた。
[みんなのことについて]
◇ 私の知らなかった友達は,こんなにいいことができて親切なんだと思いました。
◇ みんな特技や得意なものがあったり違っていたりするんだなあと思いました。
[自分のことについて]
◇ 自分がこんな活躍を見せているなんて思ってもいなかった。これからも期待に応えられるようにしたいです。
◇ (よいところイメージカードを)みんなにもらって本当にうれしかったと思いました(視点をあてた児童M男)。
<結果の考察>
活動の中で,自分のよさが認識でき,書びや満足の表情が多く見られた。さらに,振り返りカードの記述内容の自己理解の深まりについては,「よさの発見」が68.6%,「よさの再認識」が88.6%という結果であった。これらのことから,誰のよさかを予