研究紀要第120号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第2年次」 -105/117page
シンキングタイムでは,「SOSカード」(資料17)や黒板の絵図をもとに,2〜3の品物とその理由を書く活動を取り入れたことにより,グループでの発表や質問が活発に行われた。
事前調査では,視点をあてたY男やN子が,友達の「えっ,どうして?」という質問に対して自分の考えをしっかり伝えたり,友達の発表を聞いてカードにチェックをし,理由を書き込んだりする姿が見られた。
児童の多くは,自分がいいと思った友達の考えや品物を取り入れていた。自分と友達の品物や考えを組み合わせて,より効果的な方法を考え出す児童も多く,グループとして案を検討しようとする班も見られた。
最終決定の発表では,友達から自分の考えを取り入れられて満足した笑顔が数多く見られた。その笑顔の中にY男やN子もいた。特にY男は,全体発表の場面で自ら挙手をして発表するなど意欲的であった。
3. 互いのよさを認め合う活動を通して得られた喜びや満足を明確化・共有化するシェアリング
「振り返りカード」(資料18)により,友達の考えを取り入れてみて感じたことや友達について気づいたことを記述した。