研究紀要第134号さまざまな調査を基にして「個に応じた学習指導」を実践するための基礎研究- 019/069page
@ 教科ごとの成果(複数回答)
教科ごとに若干の違いは見られるが,「つまずきが解消した」,「学力が向上した」,「学習に主体的に取り組むようになった」などの成果があげられた。
A 問題点(抜粋) (複数回答)
小中学校ともほぼ同じような問題点が指摘されている。その問題点を頻度数の高いものから順にあげると次のようになる。
○ 打ち合わせの時間
・担当教師同士で授業や評価についての打ち合わせの時間が持てない。
○ 指導の在り方
・T1とT2の連携の仕方や役割分担をどのようにしたらよいかわからない。
・担当教師の指導力の差や指導観の違いがあり,少人数学習指導のよさが十分に発揮されているとは限らない。
○ グループ編成の仕方
・習熟度別に分ける基準の設定が曖昧である。
・習熟度別学習指導のグループの分け方について児童生徒や保護者に十分に理解が得られていない。
○ 児童生徒に対する対応
・一人一人の児童生徒に十分に指導が行き届いていない。
・下位の生徒だけの指導になっている。(5) 少人数学習指導を行う上での学校の課題 (複数回答)
少人数学習指導を行う上での学校全体としての課題の主なものをあげると,小学校では,「指導教員の確保」,「教師の指導力の向上」,「教職員の共通理解」,「指導と評価の一体化」,「少人数指導の導入による効果や変容を把握する方法」という順になっている。中学校では,「指導教員の確保」,「教師の指導力の向上」,「少人数指導の導入による効果や変容を把握する方法」,「指導と評価の一体化」という順になっている。