福島県教育センター所報ふくしま No.27(S51/1976.8) -017/026page

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発展 6 三本木原台地と火山灰台地の開発のようすについて関連づけ本時のまとめをする ○発展として鹿児島県のシラス台地の開発に目をむけさせる (10) 火山灰地の開発(写真)

(2)検証と考察

  1. 尺度設定について
    • 評価の観点
      1. 国内の特色ある地城の気候と仕事やくらしとの関連をつかむことができたか。
      2. 国内の特色ある地域の地形と仕事やくらしとの関連をつかむごとができたか。
      3. 事象と事象を比較してとらえる能力が育ったか。
      4. グラフと地図など,2つ以上の資料を結びつけて事象の読みとりを深めることができたか。
      5. 郷土との対比能力が育ったか。
    • 評価の例

      評価の例

  2. 授業の考察
    •  農業のくふうを地形や気候の特色と関連づけて老えさせるために.思考を養う場面を計画的に設定したが,地形や気候の条件との関連で課題を追求することにかなり困難が感じられ,大部分の児童は途中で思考が停滞する状態が見られた。とくに,土地利用図や地図から地形条件をつかませることは,気候条件をつかむ以上のむずかしさが見られ,地図指導における他の資料の相補併用について,さらに研究の必要を感じた。
    •  農業のようすをとらえさせるために,農事ごよみを活用したが,気候条件の全く異る地域の農事ごよみと対比させ,作付の時期・とり入れの時期に目をむけさせて,そこから気候との関連をとらえさせていく方法は,かなり効果があった。相違のはっきりした資料によって比較思考させる方法は,問題点をより鮮明にさせて思考の対象とすることができるので学習が活発となり授業中の発言やノート記録に思考の深まりが見られた。
    •  単元導入の段階で,自分の住んでいる土地の気候についてじゅうぶんまとめておいたことが,指導の過程でたいへん効果的であった。それが他地域の気候条件をとらえる際に.比較したり,関係づけたりする具体的な根拠となって.問題考察のきっかけになったり,思考を前進させることができ.効果的であった。
  3. 事前,事後テストの結果
    <表3>事前,事後テスト (事前9月上旬,事後10月下旬) 単位%
    問題  1 思考力  2 思考力  3 思考力  4 思考力 
    小問  (1)  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)  (16)  (17)  (18)  (19) 
    正答率  事前テスト  29.0  22.6  9.7  16.1  19.4  19.4  12.9  16.1  22.6  9.7  3.2  6.5  9.7  16.1  19.4  12.9  16.1  19.4  22.6 
    事後テスト  93.6  80.7  74.2  87.1  87.1  80.7  83.9  87.1  90.3  90.3  54.8  58.1  74.2  74.2  90.3  77.4  90.3  80.6  71.0 
    有効度指数  90.9  75.1  71.4  84.6  84.0  76.1  81.5  84.6  87.5  89.3  53.0  55.2  71.4  69.2  87.9  74.1  88.6  75.9  62.5 
    5 思考力  6 知識理解  7 知識理解 
    (20)  (21)  (22)  (23)  (24)  (25)  (26)  (27)  (28)  (29)  (30)  (31)  (32)  (33) 
    9.7  22.6  29.0  6.5  19.4  16.1  22.6  25.8  25.8  19.4  12.9  9.7  16.1  22.6 
    61.3  83.9  74.2  45.2  93.6  96.8  87.1  93.6  93.6  80.7  93.6  96.8  100  100 
    57.1  79.0  63.6  41.4  92.1  96.2  83.3  91.4  91.4  76.1  92.6  96.7  100  100 
  4. 結果の考察
    •  問11,12は気候グラフから気候条件を考察させてみた。事前テストで10%以下であったことから授業においては資料提示活用に留意して考察させたが,結果は50%台である。その原因を分析してみると、提示したグラフが多すぎて児童の思考を混乱させたこと,特に下位児童にそれが強く表れており,設問のまずさを痛感した。間23の気候条件による農作物の種類の問題も設問のまずさが原因と考えられる。
    •  問19では「荒れ地に用永路をひく」ことは,A「土地のようすをうまく利用する」B「自然のようすをつくりかえる」のいずれであるかを.この2つから正答Bを選択する問題である。正答を選択できない児童がでたのは,地形や気候の「利用開発」の追求に指導上のあいまいさがあったためではないかということ.また.展開の前提条件とも

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