福島県教育センター所報ふくしま No.54(S56/1981.12) -005/034page

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高等学校教材

「均時差曲線」についての指導
−作図や天球モデルを用い実習を通して確かめる学習法−

科学技術教育部  入道 正
1 はじめに
 高等学校地学I・IIにおける天体領域では、われわれの生活の場である地球および地球を取り巻く宇宙空間に目を向けさせ,地球の自転,公転・太陽系の構成・宇宙の構成・恒星と宇宙の進化・時間と時刻の内容が取り扱われているが,いずれの内容も地学分野では極めて指導しにくいといわれ,多くは教室で実習をともなわず教科書の天体資料や法則の説明に終わっている。
 天文学の歴史は自然科学の発達史そのものであり,経験法則から論理法則へと発展したそのプロセスは,今日の理科の目標でもある探究過程を通して科学的方法を修得させるプロセスとも一致しており,天体教材は恰好の教材でもある。
 所報33号では,わかる地学をめぎして,とかく法則の説明に終わりがちを「ケプラーの法則」教材について,作図やグラフ化の実習を通して学習する指導法を掲載した。今回は「時間と時刻」教材の学習にあたって,理解しにくいと言われている均時差について,均時差の生じる二つの要因(中心差と道差)について,それぞれ作図や天球モデルを用いた実習を通して,均時差の本質的を理解を得させることをねらいとしている。
2 均時差までの授業の流れ
 均時差の指導の第一歩は,見なれている太陽の南中時刻が毎日すこしずつ変わっていることを生徒自身に調べさせ,気付かせ,疑問をいだかせることから始まる。
〔実 習I〕
 理科年表を用いて,東京での視太陽の南中時刻を調べ,つぎに,自分たちの学校の南中時刻に換算して表にする。
1月1日
2月1日
3月1日
4月1日
5月1日
6月1日
11h41m32s
11 51 40
11 50 32
11 42  2 
11 35 10
11 35 45
 7月1日
 8月1日
 9月1日
10月1日
11月1日
12月1日
11h41m45s
11 44 22 
11 38 10 
11 27 52
11 21 42
11 27 00
 表1(県教育センター・昭和56年)
 太陽は年間を通して,南中時刻は30分の間で変化しており,1日の長さが一定していないことに気付かせる。
〔実 習2〕
 昭和56年の理科年表より,各月の1日,2日の太
表2 各月の1日間の移動角距離
表2 各月の1日間の移動角距離

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